STD/STIってなに?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「性病」「性感染症」と調べると一緒にでてくる「STD/STI」。
これは一体どういう意味なのでしょうか?

STD/STIとはなにか?

STDとはSexually Transmitted Disease、STIとはSexually Transmitted Infectionsの頭文字を取ったものです。
「Disease」は「病気」、「Infections」は「感染症」という意味で、どちらも性感染症(性病)を表しています。

性感染症とは、主に性的な接触により拡がる感染症のことで、細菌やウイルス、真菌、原虫など様々な原因によって発症します。

性病の中には自覚症状がほとんどみられないものもあり、「Disease」とは一般的に「発病した状態」を指すため、STDよりもSTIという表現を使うことが多いともされています。

STD/STIは誰にでも感染の可能性がある?

性病と聞くと、風俗や売春のイメージを持つ方もいるかと思います。
自分は遊んでいないから大丈夫、浮気していないから大丈夫、と思っていませんか?
今や性病は誰にでも感染の可能性があるのです。

過去のパートナーの中に一人でも性病に感染している人がいたら、たとえ浮気をしていなくても感染のおそれがあります。
性病の中には潜伏期間が長いものや自覚症状がほとんどみられないものもあります。
最近、感染に気付いたからといって、感染機会が直近とは限りません。
過去のパートナーから感染している可能性もあるのです。
また、自身が気付かないうちに感染している場合、現在のパートナーに感染を広げてしまうおそれもあります。


主に性的な接触によって感染する性病ですが、中には性交渉をしていなくても感染するものもあります。
カンジダ、トリコモナス、性器ヘルペス、HIVなどがそれに当たります。
これらは疲れやストレスなどによる免疫の低下や不衛生な環境が原因で感染するおそれがあります。

STD/STIの主な感染経路

性病にはさまざまな種類があり、感染経路が異なるものがあります。

性的接触

性病の感染経路として最も多いものです。
性病に感染した人の体液(精液、膣分泌液、唾液、血液など)に性病の原因となるウイルスや細菌が含まれており、それらが体の皮膚や粘膜に付着することで感染します。
口腔性交(オーラルセックス)や肛門性交(アナルセックス)などでも感染のおそれがあります。

日常生活

カンジダやトリコモナス、性器ヘルペスなどは日常生活に感染機会が潜んでいます。
カンジダは、ホルモンバランスの乱れやストレス・疲れなど免疫力の低下によって自己感染するおそれがあります。
トリコモナスや性器ヘルペスは、タオルや衣類、食器等の共用、トイレや浴室といった水気の多い場所で感染するおそれがあります。

母子感染

性病に感染した女性が妊娠すると、妊娠中や出産時に胎内・産道・母乳等を介して母親から胎児へと感染を広げてしまう場合があります。
妊娠中の性病感染は早産や流産、死産の原因となってしまったり、生まれてくる子どもが先天性の障がいを持つ原因にもなってしまいます。

HIVの場合、稀ではありますが血液感染のおそれがあります。
輸血や注射器・注射針などの共用による麻薬の回し打ち、針刺し事故等によって感染者の血液が他の人の血管内に侵入することで感染が成立します。

STD/STIの症状

性病に感染すると下記のような症状が現れます。
自覚症状がみられない性病もあるため、症状が現れてからではなく定期的に性病検査を受けることが大切です。

  • 排尿時の痛み
  • 性器の膿
  • 性器周辺のかゆみ、痛み
  • 性器周辺のできもの
  • 不正出血(女性)
  • おりものの増加・異常(女性)
  • 発熱

他にも性病の種類によってさまざまな症状が現れます。
治療をせずに放置してしまうとどんどん症状が悪化してしまいます。
男性は前立腺炎や精巣上体炎になってしまったり、女性は卵管炎や骨盤内炎症性疾患になってしまうおそれがあります。
不妊症や無精子症になる可能性や、重篤な健康被害を引き起こすおそれもあり、注意が必要です。

STD/STIについてよくある質問

STD/STIが疑われるときは何科を受診すればよいですか?

STD/STIが疑われるときは、症状や部位に応じて受診先が変わります。一般的には、男性は泌尿器科、女性は婦人科・産婦人科、のどの症状は耳鼻咽喉科、皮膚やくちびる周辺の症状は皮膚科が目安です。性感染症科や感染症科で対応している医療機関もあります。不安があれば、まずは対応可能な医療機関に相談しましょう。

妊娠中にSTD/STIが見つかった場合はどうすればよいですか?

妊娠中にSTD/STIが見つかった場合は、自己判断せず早めに産婦人科で相談し、医師の指示に従って適切な治療を受けることが大切です。感染症の種類によっては妊娠中でも使える治療があり、母子感染や早産などのリスクを減らせます。パートナーの検査や治療が必要になることもあります。

一度治療したSTD/STIでも再感染することはありますか?

はい、あります。STD/STIは一度治療して治っても、その後に感染している相手との性的接触があれば再感染することがあります。特にクラミジアや淋菌、梅毒などは再感染が珍しくありません。自分だけでなくパートナーも必要に応じて検査・治療を受け、治療完了までは性的接触を控えることが大切です。

オーラルセックスのみでも検査を受けたほうがよいですか?

はい。オーラルセックスだけでも、のどや口、性器に性感染症がうつることがあるため、心当たりがあって不安な場合は検査を検討したほうがよいです。厚生労働省は、口から性器へ、性器から口への感染がありうると案内しており、CDCもオーラルセックスで複数のSTIが広がるとしています。症状がなくても感染していることがあるため、不安があれば医療機関で相談しましょう。

パートナーも一緒に検査や治療を受けたほうがよいですか?

はい。特にクラミジアや淋菌などの性感染症では、パートナーも一緒に検査や治療を受けたほうがよい場合があります。自分だけ治療しても、相手に感染が残っていると再感染をくり返すことがあるためです。厚生労働省も、クラミジアではパートナーと一緒に治療することが重要と案内しています。

定期的な性病検査でSTD/STIの早期発見を

性病は、性交経験がある人であれば誰にでも感染する可能性があります。
放置してしまうとさまざまな健康被害を引き起こすおそれがあり、完治するまできちんと治療を行う必要があります。
気付かないまま性病に感染すると、自身のパートナーや周りの人に感染を広げてしまうおそれもあります。

性病は治療をしなければ治りません。
逆に言えば、早期に発見し、きちんと治療を行えば治る病気です。
自覚症状が現れない場合もあります。
少しでも違和感があったり不安なことがあれば迷わず性病検査を受けましょう。

西梅田シティクリニックではお気軽に性病検査を受けることができます。
予防のための定期検査やブライダルチェックなど、症状がなくても検査が可能です。
ご不安なこと、ご不明な点等ございましたらお気軽にご相談ください。

◆性感染症内科/西梅田シティクリニック:https://nishiumeda.city-clinic.jp/std/

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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