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通常のセックスよりもアナルでのセックスは性感染症にかかりやすいってホント!?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

通常のセックスよりもアナルセックスのほうが性感染症にかかるリスクが高いことをご存知でしょうか。
この事実を知らず、「アナルセックスだから大丈夫」と油断している方がいるかもしれません。

本記事では、アナルセックスによる性感染症のリスクや、アナルセックスによってリスクが高まる理由、感染予防策などを解説します。

健康状態を維持するためにも、正しい知識を持ち、予防策を徹底していきましょう。

アナルセックスと性感染症のリスク

アナルセックスは、性感染症のリスクを高める可能性があります。
1,000人以上のゲイの男性を対象に性病の有無を調べた報告によると、20%の方が性病にかかっていることがわかりました。
そのうち、38%がクラミジア36%が淋病にかかっていたことが報告されています。

クラミジアや淋病の場合、症状が現れないことが多く、感染に気づかないまま性行為をしてしまうリスクがあることから感染率が高いと考えられています。

また、本調査によると、14%がHIVに感染し、そのうちの44%はパートナーから感染したという結果が示されました。

アナルセックスの方が感染の危険性が高まる理由

アナルセックスの場合は直腸の粘膜が非常に薄く、挿入時の摩擦で傷つきやすくなります。
傷口ができると、そこからHIVや他の感染症に触れ、知らないうちに直腸に感染する可能性が高くなります。

肛門は排泄器官であり、男性器を挿入する構造になっていないため、無理にアナルセックスをすると出血や痛みの原因にもなるでしょう。

また、挿入した男性器に排泄物が付着し、大腸菌が尿道から侵入することで尿路感染症を発症する可能性もあります。

コンドームは効果的?アナルセックスの感染予防対策を考える

アナルセックスの感染予防対策として有効なのがコンドームの使用です。
コンドームを装着することで、直腸の粘膜に直接触れずに済みます。
また、直腸自体を傷つけるリスクを減らし、性感染症にかかる可能性を低減することが可能です。

コンドームの装着以外にも、以下の感染予防対策が挙げられます。

  • ワクチン接種:HPV(ヒトパピローマウイルス)やB型肝炎などであれば、ワクチン接種によって予防できる
  • 予防薬の服用:梅毒・クラミジア・淋病の感染への予防効果が高いドキシペップ(ドキシサイクリン)やHIV感染予防が期待できるPrEPで対策できる
  • パートナーを限定する:性病検査を受け、陰性であることが判明している相手とだけ性行為をすれば感染リスクが抑えられる

無症状でも安心は禁物!アナルセックスで感染しやすい性病とは

アナルセックスによって感染しやすい性病は以下のとおりです。

アナルセックスで感染しやすい性病おもな症状
クラミジア【男性】排尿時の痛み・尿道のかゆみや違和感・さらさらした分泌液
【女性】排尿時・性行為時の痛み・おりものの増加
梅毒全身に赤い発疹(バラ疹)・ゴムのような腫瘍
淋病【男性】排尿時の痛み・尿道のかゆみや違和感・尿道から膿が出る
【女性】おりものの増加・不正出血・下腹部の痛み
性器ヘルペス性器における違和感やかゆみ・小水疱・陰部の熱っぽさ
トリコモナス【男性】頻尿・排尿時の痛み
【女性】強い悪臭・陰部のかゆみ・泡状のおりもの
マイコプラズマ【男性】排尿時の痛み・尿道のかゆみや違和感・さらさらした分泌液
【女性】排尿時・性行為時の痛み・おりものの増加
ウレアプラズマ喉の痛み・腫れ・発熱
HIV頭痛・リンパの腫れ・発熱
HPV陰茎がん・子宮頸がん・外陰がん・腟がん・肛門がん・尖圭コンジローマ・中咽頭がん
B型肝炎食欲低下・黄疸・疲労感・吐き気・嘔吐
C型肝炎食欲低下・黄疸・疲労感・吐き気・嘔吐

アナルセックスをすると、ほぼすべての性病に感染する可能性があります。

性病に感染した場合の症状は性器そのものに関する内容だけでなく、倦怠感や発熱、下腹部の痛みといった全身の症状にもおよぶ場合があります。

安全に楽しむために必要な知識と準備とは?

性行為を安全に楽しむためには、行為によって起こりうるリスクを正確に理解しなければなりません。
アナルセックスの場合、挿入時の摩擦で直腸内が傷つきやすくなり、性病のリスクが高まります。
また、男性器に排泄物が付着し、大腸菌が尿道から侵入することで尿路感染症といったリスクも出てきます。

このような危険性を十分に理解したうえで、予防策を徹底することが重要です。
コンドームの装着を徹底したり、ワクチン接種予防薬の服用をすることが求められます。
また、不特定多数の方と性行為せず、信頼できる特定のパートナーとだけすることも大切です。

自分や相手の健康状態を守るためにも、正しい知識を持ち、適切な予防策を徹底していきましょう。
不安なことや気になる症状があれば、速やかに医療機関を受診し、専門の医師に相談してください。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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