HIV

しっかり楽しみたい!!性病予防薬のドキシペップについて教えて

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性行為を楽しみたい一方で、「性感染症にかかるのが怖い」と感じている方もいるのではないでしょうか?
性感染症はクラミジア淋病梅毒などさまざまな種類があり、誰でも感染する可能性があります。
しかし、適切な予防策をとることでリスクを大幅に軽減することが可能です。

近年、性感染症の予防手段として注目されているのが 「ドキシペップ(Doxy PEP)」 です。
これは抗生物質「ドキシサイクリン」を活用した新しい予防法で、性感染症の発症リスクを抑える効果が期待されています。
ただし、ドキシペップを服用する際は、正しい使用方法や注意点を理解しておくことが大切です。

本記事では、ドキシペップの効果や服用方法、副作用について解説します。
正しく活用し、安心して性行為を楽しむための知識を身につけましょう!

ドキシペップとは?

Doxy PEP(ドキシペップ)とは、性感染症を予防するために使用される抗生物質「ドキシサイクリン」を服用する方法のことです。
ドキシサイクリンを服用することで、性行為によって感染するリスクのある細菌の増殖を抑制し、感染の拡大を防ぐ効果が期待できます。

性感染症には、クラミジア・淋病・梅毒といったさまざまな種類があります。
これらはいずれも早期発見・早期治療によって完治が可能ですが、放置すると健康被害を引き起こすおそれがあります。

場合によっては、重篤な症状に発展するケースもあるため、性感染症のリスクが高いと考えられる場合には ドキシペップを活用する ことも予防策のひとつとして検討するとよいでしょう。

正しい服用方法と期間について

ドキシペップは性行為後、3日(72時間)以内に服用する必要があります。
3日以内であれば、体内に侵入した細菌が増殖する前に対処できるため、100mgのビブラマイシンを2錠(合計200mg)服用することで予防が期待できます。

ドキシペップは、服用すると体内で高い濃度で吸収され、短期間で効果を発揮するのが特徴です。

これはあくまで予防的な手段であり、性感染症のリスクを70〜90%軽減できるものの、100%防ぐことはできません。
そのため、コンドームの使用など、ほかの予防策と組み合わせることが重要です。

ドキシペップの予防効果

HIV予防薬を服用しているMSM(男性と性行為をする男性)およびトランスジェンダー女性のグループにおいて、性行為後24〜72時間以内にドキシサイクリン200mgを服用することで、以下のとおり示されています。

  • 梅毒とクラミジアの発症率が70%以上減少
  • 淋菌感染症の発症率が約50%減少

このように、ドキシペップには特定の性感染症に対する予防効果が期待されています。

ドキシペップの服用時の注意点と耐性菌のリスク

ドキシペップを内服するときは、服用時の注意点や耐性菌のリスクを踏まえて使用することが大切です。

ドキシペップ服用時の注意点

ドキシペップを服用すると、他の抗菌剤と同様に吐き気や下痢といった副作用が起こる可能性があります。
しかし、適切な服用方法を守ることで以下の効果が期待できます。

  • 下痢は服用を続けることで軽減することが多い
  • 吐き気は食後に服用することで予防できる

また、以下に該当する方はドキシペップを服用できません。

  • 日光過敏症の方
  • 妊活中・妊娠中・授乳中の方
  • テトラサイクリン系抗生物質にアレルギーがある方

ドキシペップと耐性菌の関係

性感染症にすでに感染している状態でドキシペップを服用すると、耐性菌が発生する可能性があります。
耐性菌とは、抗生物質が効きにくくなった細菌のことで、治療が困難になる要因のひとつです。
特に、ドキシペップの使用が広がると以下の問題が懸念されています。

  • 性感染症治療薬(セフトリアキソンやアジスロマイシン)の使用量減
  • ドキシサイクリンの使用増加による耐性菌の増

そのため、ドキシペップの服用を検討する際は、医師と相談のうえ、適切に判断しましょう。

ドキシペップに替わる予防方法もご紹介

性病予防の方法はドキシペップ以外にも、以下の方法で性感染症を予防することができます。 

性行為の相手を限定する

性感染症に感染している相手と性行為は、感染リスクを高めます。
そのため、性行為をする際は、お互いが性感染症に感染していないことを確認することが望ましいです。
特に、不特定多数の相手との性行為は、性感染症に感染する確率が高まるため、信頼できるパートナーとのみに限定しましょう。

コンドームを使用する

コンドームの使用は、最も簡単かつ効果的な性感染症の予防策のひとつです。
腟性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスの際にも使用することで予防効果が期待できます。
性感染症のリスクを最小限に抑えるためにも、コンドームを正しく使用しましょう。

定期的に性病検査を受ける

性感染症の予防には、定期的な検査を受けることも重要です。
特に、HIVクラミジア淋菌梅毒B型肝炎などの検査を定期的に受けることで、早期発見・早期治療につなげることができます。
また、可能であればパートナーと一緒に検査を受けるとより安心です。

もし医療機関での検査が難しい場合は、自宅でできる性病検査キットを活用するのも良い方法です。
性感染症を防ぐためには、ドキシペップだけでなく、日頃の予防策を組み合わせることが大切です。
自分に合った方法を取り入れ、安全な性行為を心がけましょう。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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