性器ヘルペスの再発頻度はどのくらい?原因・症状・治療法を解説

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性器ヘルペスは、一度症状が治まっても再発することがある性感染症です。「何度も繰り返しているけれど異常なのでは」「いつまで再発するのだろう」と不安に感じる方もいるでしょう。

性器ヘルペスの再発頻度には大きな個人差があり、頻繁に再発する方もいれば、数年間症状が出ない方もいます。また、ウイルスの型や体調、生活習慣なども再発に関係します。

この記事では、性器ヘルペスの再発頻度や原因、再発時の症状、治療法、日常生活で意識したい予防方法について解説します。

目次
  1. 性器ヘルペスの再発頻度には個人差がある
  2. 性器ヘルペスが繰り返し再発する原因
  3. 性器ヘルペス再発のきっかけ
  4. 性器ヘルペスが再発するときの症状
  5. 性器ヘルペスが再発したときの対処法
  6. 再発頻度に応じた性器ヘルペスの治療法
  7. 性器ヘルペスの再発を予防する生活習慣
  8. パートナーへの感染を防ぐ方法
  9. 性器ヘルペスで早めに受診したほうがよいケース
  10. 性器ヘルペスの再発頻度に関するよくある質問
  11. 性器ヘルペスの再発頻度を記録して自分に合った治療を選ぼう

性器ヘルペスの再発頻度には個人差がある

性器ヘルペスの再発回数は人によって異なるため、「年に何回なら正常」と一律に判断することはできません。まずは、国内調査やウイルスの型による違いなどから、再発頻度の目安について確認していきましょう。

国内調査では年1〜2回の再発が多い

国内で再発性性器ヘルペス患者232人を対象に行われたアンケート調査では、再発頻度が年1〜2回だった方が約8割を占めています。ただし、この結果だけですべての患者の再発頻度を判断できるわけではありません。年1〜2回より多く再発する方もいるため、自分の回数が平均と違うからといって、すぐに異常と考える必要はありません。

月に数回から数年に1回まで幅がある

性器ヘルペスの再発頻度には大きな幅があります。国立健康危機管理研究機構の情報では、再発回数は月2〜3回から年1〜2回までさまざまとされています。さらに、長期間症状が現れない方もいます。再発回数だけではなく、症状の強さや生活への影響、再発する間隔なども含めて、自分の状態を把握することが大切です。

HSV-2はHSV-1より再発しやすい

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型のHSV-1または2型のHSV-2によって起こります。このうち、性器に感染したHSV-2はHSV-1より再発や無症候性のウイルス排出が起こりやすいことがわかっています。そのため、同じ性器ヘルペスでもウイルスの型によって、その後の再発頻度や経過が異なる可能性があります。

再発頻度は時間の経過とともに減る傾向がある

性器ヘルペスは一度感染するとウイルスが体内に潜伏するため、将来の再発を完全に否定することはできません。ただし、再発回数は時間の経過とともに減少する傾向があります。特にHSV-2についても、多くの方では年月が経つにつれて再発頻度が低下するとされています。今の再発頻度が今後も同じように続くとは限りません。

性器ヘルペスが繰り返し再発する原因

性器ヘルペスが再発するのは、治療が失敗したからとは限りません。一度感染したウイルスが体内に潜伏するという性器ヘルペス特有の仕組みが関係しています。繰り返し症状が現れる主な原因を解説します。

神経節に潜伏したウイルスが再活性化する

性器ヘルペスの症状が治まっても、単純ヘルペスウイルスそのものが体内から完全に消えるわけではありません。感染後のウイルスは神経節に潜伏し、何らかのきっかけで再び活動を始めることがあります。ウイルスが再活性化すると神経を通って皮膚や粘膜へ移動し、水疱や痛みなどの症状が再び現れます

ウイルスの型によって再発しやすさが異なる

単純ヘルペスウイルスにはHSV-1とHSV-2があり、性器に感染した場合の再発しやすさにも違いがあります。一般的に、性器のHSV-2感染はHSV-1感染よりも再発しやすい傾向があります。再発が多いからといって生活習慣だけが原因とは限らず、感染しているウイルスの型が影響している可能性も考慮する必要があります。

疲労やストレスによる免疫力の低下

仕事や家事による疲労、睡眠不足、精神的なストレスなどが重なると、体調が崩れて性器ヘルペスが再発するきっかけになることがあります。特に「忙しい時期になると再発しやすい」と感じる方は、体調の変化と症状が連動している可能性があります。再発を完全に防げるわけではありませんが、休養を確保することは体調管理の一つです。

再発はパートナーからの再感染とは限らない

パートナーとの性行為後に症状が出た場合、「また感染させられたのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、性器ヘルペスの再発は、もともと自分の神経節に潜伏していたウイルスが再活性化して起こることがあります。そのため、再発したという事実だけを理由に、パートナーから新たに感染したと判断することはできません

性器ヘルペス再発のきっかけ

性器ヘルペスでは、体調や性器周辺への刺激などをきっかけとして再発することがあります。何が引き金になるかは人によって異なるため、自分の再発パターンを知っておくことも対策につながります。

疲労や睡眠不足

十分な休息が取れていない状態が続くと、性器ヘルペスの再発につながることがあります。仕事が忙しい時期や徹夜が続いたあとなど、疲労が重なったタイミングで症状が出る方もいます。再発を繰り返している場合は、睡眠時間だけではなく、連日の残業や運動による疲れなども含め、症状が出る前の生活状況を振り返ってみましょう

精神的なストレス

精神的なストレスも、性器ヘルペスの再発に関連する要因の一つです。仕事や人間関係などによる負担が続き、心身ともに疲れている時期に症状が現れることがあります。ストレスそのものを完全になくすのは難しいものの、十分な睡眠を取る、休息する時間をつくるなど、無理が続かない生活を意識するとよいでしょう。

発熱や体調不良

風邪などで発熱しているときや、体調を大きく崩したあとにヘルペスが再発することがあります。体がほかの病気への対応を必要としている状態では、潜伏していたヘルペスウイルスが再活性化するきっかけになる可能性があります。発熱時は無理に普段どおり活動するのではなく、睡眠と水分を確保しながら体を休めることを優先しましょう。

月経による体調の変化

女性では、月経が性器ヘルペス再発のきっかけになることがあります。毎回ではなくても、「生理前後になると症状が出やすい」という一定のパターンがみられる場合があります。再発時期と月経周期を記録しておくと、自分の傾向を把握しやすくなるでしょう。前兆がわかるようになれば、医師と相談のうえ早期治療につなげられることもあります。

性交や衣類による摩擦

性交などによる性器周辺への刺激が、性器ヘルペス再発のきっかけになることがあります。また、直接的な原因とは限りませんが、締め付けの強い下着や衣類で患部が擦れると、不快感や痛みが強くなる可能性があります。症状や前兆がある時期は性交を控え、患部を刺激しにくい下着や衣類を選ぶとよいでしょう。

性器ヘルペスが再発するときの症状

性器ヘルペスは、水疱ができる前に特徴的な前兆が現れることがあります。早い段階で再発に気づけると治療を始めやすくなるため、よくみられる症状を知っておきましょう。

ピリピリ感やかゆみなどの前兆が現れる

性器ヘルペスが再発する前には、患部周辺にピリピリ・チクチクする痛みや、かゆみ、むずむずする違和感などが現れることがあります。こうした症状は前駆症状と呼ばれます。再発を繰り返している方では「いつもの感覚」として気づける場合もあります。PITではこの段階から薬を服用するため、前兆を把握することが治療にも役立ちます。

性器周辺に水疱や潰瘍ができる

再発すると、外陰部や陰茎などの性器周辺に小さな水疱が現れ、水疱が破れると浅い潰瘍になることがあります。痛みやヒリヒリ感を伴うこともあります。ただし、水疱や潰瘍は梅毒をはじめとするほかの性感染症や皮膚疾患でも生じるため、見た目だけで性器ヘルペスと決めつけることはできません。初めての症状では受診が必要です。

同じ場所やその周辺に繰り返し現れる

再発性の性器ヘルペスでは、過去に症状が出た場所と同じ部位や、その周辺に水疱や違和感が現れることがあります。一方で、毎回まったく同じ位置に症状が出るとは限りません。性器周辺だけではなく、お尻や太もも付近に違和感を感じる方もいます。繰り返し症状が出る場所や前兆を記録しておくと、次の再発に早く気づきやすくなります。

初発時より軽く短期間で治まりやすい

性器ヘルペスの再発時は、初めて症状が現れたときよりも水疱や潰瘍の数が少なく、症状も軽い傾向があります。国立健康危機管理研究機構では、再発型は急性型より病変が小さく数も少なく、1週間以内に治ることが多いとされています。ただし、強い症状がある場合や長引く場合は、再発だからと自己判断せず医療機関へ相談しましょう。

性器ヘルペスが再発したときの対処法

再発時は、患部をケアするだけではなく、早い段階で適切な治療につなげることがポイントです。症状を悪化させたり周囲へ感染を広げたりしないために、再発したときの対処法を紹介します。

前兆を感じた段階で医療機関へ相談する

性器ヘルペスの再発治療では、できるだけ早く抗ウイルス薬を使用することがポイントです。特に再発を繰り返している方では、ピリピリ感やかゆみなどの前兆から治療を開始する方法もあります。毎回受診するのが難しい場合にはPITを利用できることもあるため、再発頻度や前兆のわかりやすさについて医師へ相談してみましょう。

患部を清潔に保ち摩擦や蒸れを避ける

水疱や潰瘍がある時期は、性器周辺を清潔に保ちながら、必要以上の刺激を避けましょう。洗浄するときは強くこすらず、洗ったあとは水分をやさしく拭き取ります。締め付けの強い下着などで蒸れたり擦れたりすると、痛みや不快感が強くなることがあります。通気性がよく、患部を圧迫しにくい衣類を選ぶと過ごしやすくなります。

水疱やかさぶたを触らない

性器ヘルペスの水疱にはウイルスが含まれている可能性があるため、潰したり、かさぶたを無理にはがしたりするのは避けましょう患部に触れた手で目やほかの粘膜に触れると、別の部位にウイルスが付着するおそれもあります。薬を塗るなどして患部に触れた場合は、その後に石けんと流水で手を洗うようにしてください。

症状が治まるまで性行為を控える

水疱や潰瘍だけではなく、ピリピリ感や違和感などの前兆がある時期にもウイルスをパートナーへ感染させる可能性があります。そのため、前兆から症状が治まるまでは性行為を控えることが推奨されます。コンドームを使用していても、覆われていない皮膚から感染する可能性があるため、症状がある状態での性行為は避けましょう。

市販薬を自己判断で使用しない

ドラッグストアにはヘルペス用の市販薬がありますが、日本で販売されている抗ヘルペスウイルス外用薬は、過去に医師から診断・治療を受けた「口唇ヘルペスの再発」を対象としたものです。性器ヘルペスへの使用を目的とした薬ではありません。性器に水疱や潰瘍がある場合は自己判断で市販薬を塗らず、医療機関で診断を受けましょう

再発頻度に応じた性器ヘルペスの治療法

性器ヘルペスでは、再発回数や症状の程度に応じて治療方法を選択します。症状が出るたびに治療する方法だけでなく、前兆の段階で服用する方法や、再発そのものを抑える治療もあります。それぞれの特徴を解説します。

再発のたびに抗ウイルス薬を服用する再発時治療

再発回数が少ない場合などには、症状が現れたときに抗ウイルス薬を一定期間服用する再発時治療が行われます。抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑える薬で、早く開始するほど治療につなげやすくなります。薬の種類や服用期間は患者の状態によって異なるため、以前処方された薬を自己判断で使い回さず、医師の指示に従って服用してください。

年3回以上ではPITを検討する

おおむね年3回以上再発し、ピリピリ感やかゆみなど自分の前駆症状を判断できる方では、PITが選択肢になります。PITは、医師から抗ウイルス薬をあらかじめ処方してもらい、再発の前兆を感じた段階で患者自身が服用を開始する方法です。適応条件や服用方法があるため、希望する場合は再発回数や症状について医師へ相談しましょう。

年6回以上では再発抑制療法を検討する

頻繁な再発によって日常生活に影響が出ている場合には、抗ウイルス薬を継続して服用する再発抑制療法があります。日本では、免疫機能が正常な方では、おおむね年6回以上再発する患者が対象の目安とされています。治療を開始するかどうかは回数だけでなく、症状や生活への影響なども踏まえ、医師と相談して判断します。

外用薬だけの治療が推奨されない理由

再発性性器ヘルペスでは、抗ウイルス薬の内服が治療の中心です。性器ヘルペスでは目に見える外陰部だけではなく、腟や子宮頸部などでもウイルスが再活性化する可能性があるため、外用薬だけによる治療は推奨されていません。塗り薬だけで様子を見るのではなく、症状がある場合は医療機関で適切な治療方法を確認することが必要です。

治療を続けてもウイルスが完全には消えない

抗ウイルス薬は、性器ヘルペスの症状を抑えたり再発頻度を減らしたりする目的で使用されますが、神経節に潜伏しているウイルスそのものを体内から完全に排除する薬ではありません。そのため、治療後に再び症状が現れる可能性があります。ただし、再発を適切に治療・管理することで、症状による負担を減らすことは可能です。

性器ヘルペスの再発を予防する生活習慣

生活習慣を改善すれば必ず再発を防げるわけではありません。しかし、自分にとっての再発のきっかけを把握し、体調を整えることは再発への備えにつながります。日常生活で意識したいポイントを紹介します。

睡眠時間を確保して十分に休養する

疲労がたまった時期に再発しやすい方は、日頃から休養を確保することを意識しましょう。特に睡眠不足が続いている場合は、休日だけ長時間眠るのではなく、できる範囲で毎日の睡眠時間を確保することがポイントです。仕事や家事で無理をした翌日に休むなど、自分の体調に合わせて予定を調整することも再発への備えになります。

疲労やストレスをため込まない

性器ヘルペスでは心身の疲労が再発のきっかけになることがあります。そのため、「疲れているのに無理を続ける」という状態を避けることも意識したいポイントです。適度に休息を取るほか、入浴や軽い運動など、自分がリラックスできる方法を生活に取り入れてみましょう。何度も再発する場合は生活習慣だけで解決しようとせず、治療について医師に相談してください。

自分の再発原因や前兆を記録する

再発した日だけでなく、その直前の睡眠時間や仕事の忙しさ、月経周期、性交の有無などを記録しておくと、自分の再発パターンを把握しやすくなります。また、ピリピリ感やかゆみなど、症状が出る前に感じる前兆も記録しておきましょう。前駆症状を自分で判断できるようになれば、医師と相談したうえでPITを利用できる可能性もあります。

患部への刺激や蒸れを減らす

性器周辺に違和感がある時期は、締め付けの強い下着や衣類を避け、摩擦や蒸れを減らしましょう。汗をかいた状態が続く場合は下着を交換するなど、清潔で過ごしやすい状態を保つこともポイントです。ただし、何度も洗ったり強くこすったりすると刺激になります。過度な洗浄はせず、やさしく清潔を保つようにしてください。

処方薬を医師の指示どおり使用する

抗ウイルス薬は、決められたタイミングや用量で使用する必要があります。症状が軽くなったからと自己判断で服用を中断したり、以前の薬を次の再発時に独自の方法で服用したりするのは避けましょう。再発抑制療法やPITを行っている場合も、医師から説明された方法を守ることが基本です。服用方法に迷った場合は医師や薬剤師に確認してください。

パートナーへの感染を防ぐ方法

性器ヘルペスでは、症状が出ているときだけではなく、症状がない時期にもウイルスが排出されることがあります。感染リスクをゼロにはできませんが、リスクを下げるために意識したいポイントを確認しておきましょう。

前兆や症状がある時期は性行為を避ける

水疱や潰瘍が現れている時期はもちろん、ピリピリ感やかゆみなどの前駆症状がある時期にも性行為は避けましょう。こうした時期にはウイルスが排出され、パートナーへ感染する可能性があります。症状が軽いからと判断して性交を続けるのではなく、違和感が出た段階から症状が落ち着くまでは性的な接触を控えることが感染対策になります。

コンドームを適切に使用する

性器ヘルペスの感染リスクを下げる方法の一つがコンドームの使用です。挿入時だけではなく、性的な接触の初めから適切に装着することがポイントとなります。ただし、性器ヘルペスは皮膚や粘膜の接触によって感染するため、コンドームを使っていれば症状がある状態でも性行為をしてよいという意味ではありません。症状がある期間は性行為を控えてください。

コンドームだけでは完全に予防できない

コンドームは感染リスクを低減する手段ですが、性器ヘルペスを完全に防げるわけではありません。ヘルペスの病変やウイルスが排出されている皮膚が、コンドームで覆われていない場合があるためです。そのため、コンドームの使用に加えて、前兆や症状がある時期には性行為を避けるなど、複数の感染対策を組み合わせることが必要です

症状がなくても感染させる可能性がある

性器ヘルペスでは、水疱などがない時期にも「無症候性ウイルス排出」が起こることがあります。そのため、本人に自覚症状がなくてもパートナーへ感染する可能性があります。特に性器のHSV-2感染では、HSV-1より無症候性のウイルス排出が多いとされています。症状のない期間にも感染リスクがゼロではないことを理解しておきましょう。

パートナーと再発や感染リスクを共有する

性器ヘルペスと診断された場合は、感染の仕組みや再発時の対応についてパートナーとも共有しておくことが望ましいでしょう。症状がある時期に性行為を避けることや、無症状でも感染する可能性があることを知っておけば、二人で感染リスクを考えやすくなります。不安が強い場合は、パートナーと一緒に医療機関へ相談する方法もあります。

性器ヘルペスで早めに受診したほうがよいケース

性器ヘルペスは再発を繰り返すことがありますが、すべてを「いつもの再発」と考えるのは適切ではありません。症状によっては別の病気との鑑別や早期治療が必要です。早めに医療機関へ相談したいケースを紹介します。

初めて水疱や潰瘍ができた

性器周辺に初めて水疱や潰瘍が現れた場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。初発の性器ヘルペスでは、再発時より症状が強く出ることがあります。また、性器の潰瘍は梅毒など別の性感染症でも起こるため、見た目だけでは判断できません。適切な診断を受け、必要に応じて検査や抗ウイルス薬による治療を開始することが必要です。

短期間に何度も再発する

数週間から数か月の間に何度も再発するなど、頻度が高い場合は一度医師に相談してみましょう。再発回数によっては、症状が出るたびに受診する治療だけではなく、PITや再発抑制療法を検討できる場合があります。特に再発が仕事や睡眠、性生活などに影響している場合は、回数だけで我慢せず、自分に合った治療方法について相談することが大切です

痛みや発熱が強い

性器周辺の強い痛みに加えて、高熱や強い倦怠感などがある場合は早めに受診してください。初発の性器ヘルペスでは、発熱やリンパ節の腫れなどの全身症状を伴うことがあり、症状が強い場合には入院治療が必要になることもあります。「ヘルペスだから自然に治る」と考えて我慢せず、日常生活が難しいほど症状が強い場合は医療機関へ相談しましょう。

排尿が難しい

性器ヘルペスによる潰瘍や炎症が強いと、尿が患部に触れることで激しい痛みを感じ、排尿が難しくなる場合があります。特に女性の初発例では、痛みのため排尿困難となり入院が必要になるケースもあります。水分を控えて我慢すると脱水につながる可能性もあるため、尿が出せない、強い痛みで排尿できない状態では早めに医療機関を受診してください

症状が長引いている

再発型の性器ヘルペスは、初発と比べて症状が軽く、比較的短期間で治まることが多いとされています。そのため、治療を受けても症状が改善しない、水疱や潰瘍が長期間続く、むしろ悪化しているといった場合は再診を検討しましょう。性器ヘルペス以外の疾患である可能性や、免疫状態など別の要因が影響している可能性もあります。

妊娠中または妊娠の可能性がある

妊娠中に性器ヘルペスの症状が現れた場合は、自己判断せず産婦人科へ相談してください。特に妊娠後期に初めて感染した場合などは、出産時に赤ちゃんへ感染する新生児ヘルペスへの注意が必要です。過去に性器ヘルペスと診断されたことがある方も、妊娠した際にはそのことを担当医へ伝え、出産時の対応について相談しておきましょう。

免疫機能が低下する病気や治療がある

免疫機能が低下している方では、性器ヘルペスの症状が重くなったり、通常とは異なる経過をたどったりすることがあります。HIV感染症がある方や、病気の治療によって免疫を抑える薬を使用している方などは、症状が軽く見えても医師へ相談してください。治療内容や服用期間が通常と異なる場合もあるため、持病や使用中の薬も正確に伝えましょう

性器ヘルペスの再発頻度に関するよくある質問

性器ヘルペスを繰り返していると、「毎月出るのはおかしい?」「いつか再発しなくなる?」などの疑問が出てくるでしょう。再発頻度に関してよくある疑問について解説します。

毎月再発するのは異常?

性器ヘルペスは月に複数回再発する方もいるため、毎月症状が出ることだけで異常とは判断できません。ただし、毎月のように繰り返している場合は再発頻度が高く、治療方法を見直せる可能性があります。おおむね年6回以上の再発では再発抑制療法が検討されるため、再発した日や症状を記録して医療機関へ相談するとよいでしょう。

性器ヘルペスはいずれ再発しなくなる?

再発回数は年月とともに減っていく傾向がありますが、「何年経てば必ず再発しなくなる」とは言えません。長期間症状が出なくなる方がいる一方で、体調を崩したときなどに再び症状が現れることもあります。ウイルスは神経節に潜伏し続けるため、再発がしばらくない場合でも完全に体内から消えたことを意味するわけではありません。

再発したら毎回病院へ行くべき?

再発するたび必ず受診しなければならないとは限りません。再発を繰り返しており、自分で前兆を判断できる方では、あらかじめ処方された薬を前兆の段階から服用するPITを利用できる場合があります。ただし、症状がいつもと違う、強い痛みや発熱がある、長引いている場合などは受診が必要です。自分に合った対応方法を事前に医師と決めておきましょう。

パートナーに症状がなくても感染している?

性器ヘルペスに感染していても、症状がまったくない方や、症状が軽く感染に気づいていない方は少なくありません。そのため、パートナーに水疱や痛みがないことだけでは感染していないとは判断できません。反対に、自分が再発したからといってパートナーから再感染したとも限りません。感染について不安がある場合は、医療機関で相談することをおすすめします。

性器ヘルペスの再発頻度を記録して自分に合った治療を選ぼう

性器ヘルペスの再発頻度には大きな個人差があります。国内調査では年1〜2回の再発が多いという結果がありますが、月に複数回再発する方もおり、回数だけを比較して過度に不安になる必要はありません。

一方、繰り返す症状によって生活に支障が出ている場合は、我慢し続ける必要もありません。再発のたびに治療する方法のほか、前兆の段階で治療を始めるPITや、頻繁な再発を抑える再発抑制療法といった選択肢があります。

まずは再発した日や前兆、月経、疲労などを記録し、自分の再発パターンを把握してみましょう。そのうえで医師に相談すると、自分の再発頻度や生活状況に合った治療を検討しやすくなります。

性器ヘルペスについて「何度も再発して不安」「病院へ行くべきかわからない」と悩んでいる方は、一人で判断せず専門家へ相談することが大切です。性器ヘルペスをはじめとした性感染症について詳しく確認したい方は、性病ドットコムも参考にしながら、必要に応じて適切な受診につなげてください。

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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