ピンポン感染を防ぐために|パートナーと一緒に受ける性病検査の重要性

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性感染症(性病)は誰にでも感染する可能性がある身近な病気です。
ときに「ピンポン感染」といって、カップルや夫婦間で感染を繰り返してしまうことがあります。

感染に気づかず放置すれば、症状が悪化して健康を損なうだけでなく、大切なパートナーを巻き込んでしまうことになります。

本記事では、代表的な性感染症の症状や治療法、そしてピンポン感染を防ぐための検査・予防方法について解説します。

性感染症とは?

性感染症(STD/STI)は、性行為に伴う膣性交・口腔性交・肛門性交などの粘膜接触によって感染する病気の総称です。

  • 男性は比較的自覚症状が出やすい
  • 女性は無症状のことが多く、気づかないうちに進行している場合がある

「症状がない=感染していない」ではない点に注意が必要です。

主な性感染症と症状

性感染症にはおもに以下の種類があります。
どのような症状が現れるのか、あらかじめ知識として知っておきましょう。

性器クラミジア感染症

性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスを病原体とする性感染症です。

  • 日本で最も多い性感染症
  • 女性:不正出血、透明なおりもの増加、下腹部痛
  • 男性:排尿痛、尿道からの分泌物
  • 放置すると不妊症子宮外妊娠骨盤内炎症性疾患の原因に
  • 治療は抗生物質の内服

淋菌感染症

淋菌感染症は、淋菌による細菌感染症です。

  • 男性:激しい排尿痛、膿の排出
  • 女性:子宮頸管炎、尿道炎、下腹部痛
  • 治療は抗生物質(点滴など)で行う

性器カンジダ症

性器カンジダ症は、膣内に存在するカンジダ属の繁殖によって起こる性器の炎症です。

  • 腟内常在菌のカンジダが増殖して発症
  • 白くポロポロとしたおりもの、強いかゆみ
  • 糖尿病・抗生物質使用中・妊娠中に増えやすい
  • 抗真菌薬の腟錠・クリーム・内服で治療

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型・2型を病原体とする性感染症です。

  • 単純ヘルペスウイルス(HSV-1型・2型)が原因
  • 性器周囲に痛みを伴う水ぶくれ
  • 強い場合は排尿困難歩行困難
  • 一度感染すると体内に潜伏し、ストレスや免疫低下で再発
  • 抗ウイルス薬(内服・軟膏・点滴)で治療

ピンポン感染とは?

ピンポン感染とは、性感染症がカップルや夫婦の間で繰り返しうつし合うことを指します。

  • 片方が感染 → パートナーに感染
  • 片方が治療しても、もう一方が未治療 → 再感染
  • これを繰り返すことで症状が慢性化

防ぐには 必ず2人同時に検査・治療 を受けることが重要です。

夫婦間の性行為でも油断できない

「夫婦だから大丈夫」と思っていても、過去の感染や無症状感染の可能性はあります。

  • 過去のパートナーからの感染が潜伏している
  • 無症状のまま相手にうつしてしまう
  • 長期間気づかず進行し、不妊重症化につながる

性感染症を防ぐための予防法

  • コンドームを正しく使用する
    膣性交・口腔性交・肛門性交すべてで使用
  • パートナーを限定する
    不特定多数との接触はリスクが高い
  • 定期的な性病検査
    無症状でも感染している場合があるため、3〜6か月に1回の検査がおすすめ
  • ワクチン接種
    HPVワクチン、B型肝炎ワクチンなどは予防に有効

まとめ

  • 性感染症は誰でも感染する可能性があり、無症状で進行することもある
  • 主な性感染症はクラミジア淋病カンジダヘルペスなど
  • ピンポン感染はカップル間でうつし合うこと。防ぐには2人同時の検査・治療が必須
  • 夫婦間でも感染のリスクはあるため油断は禁物
  • 予防の基本はコンドームの使用・定期検査・パートナーと一緒の健康管理

性感染症は「特別な病気」ではなく、とても身近なものです。
大切な人と自分自身を守るために、予防と早めの検査・治療を徹底しましょう。

参考文献

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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