プレコンセプションケアとは?若い世代に広めたい妊娠・出産と性の正しい知識

「プレコンセプションケア」という言葉をご存じでしょうか?
これは、将来の妊娠や出産に備えて若い世代のうちから健康管理に取り組むケアを指します。
近年、晩婚化や妊娠年齢の高齢化により、不妊や妊娠合併症のリスクが社会課題となっています。
本記事では、プレコンセプションケアの概要や重要性、若いうちからできる取り組みについて解説します。
プレコンセプションケアとは?

「コンセプション」は妊娠を意味します。
プレコンセプションケアとは、妊娠する前から健康状態や生活習慣を整えておく取り組みのことです。
対象は妊娠を望む女性だけではありません。
- 妊娠可能な年齢のすべての女性
- パートナーや将来妊娠を考えている男性
日常生活での健康管理を徹底することで、健やかな妊娠や出産につながり、より良い人生設計の基盤になる、とても重要な概念です。
プレコンセプションケアが重要な理由
- 社会背景とリスクの増加
– 晩婚化により妊娠年齢が高くなっている
– 高齢妊娠では流産・早産・染色体異常のリスク増加
– キャリア形成や生活習慣の乱れによる慢性疾患の増加 - 若い世代の課題
– 性や妊娠に関する教育不足
– 望まない妊娠や性感染症(クラミジア・梅毒など)の増加
– 妊娠前に慢性疾患(甲状腺異常・高血圧・精神疾患など)を抱えてしまうケース
若いうちからの知識と行動が、将来の妊娠や子どもの健康を守る第一歩です。
性と妊娠の正しい知識を身につける

医療技術の進歩により妊産婦死亡率は減少しましたが、低出生体重児や先天異常の発生は依然として課題です。
リスク因子には、以下のような原因が考えられます。
- 高齢妊娠
- 慢性疾患(糖尿病・甲状腺疾患など)
- やせや肥満
- 喫煙や飲酒
プレコンセプションケアは、こうしたリスクを軽減し、「自分の体を知る」「正しい知識を持つ」ことを目的としています。
医療機関で受けられるプレコンセプションケア

プレコンセプションケア外来では、妊娠前に必要な検査や指導を受けられます。
- 身体測定:身長・体重・BMI・体脂肪
- 血圧測定:高血圧の有無を確認
- 婦人科検査:子宮・卵巣の評価、子宮頸がん検査
- 血液検査:肝機能・腎機能・糖代謝・脂質代謝・ホルモン値など
- 感染症検査:HIV・梅毒・クラミジア・B型肝炎など
- 栄養状態の確認:葉酸・ビタミンD・鉄分など
妊娠後に始めるのでは遅いケースもあるため、妊娠前の段階から準備することが重要です。
今からできるプレコンセプションケアの実践

プレコンセプションケアは、誰でも簡単にいつからでも実践できます。
以下の対策を目安に、健康的な生活を送りましょう。
ケアの内容 | ポイント |
---|---|
必要な栄養を摂取 | 葉酸:胎児の神経管閉鎖障害予防 鉄分:貧血防止 カルシウム:骨の形成 |
体重管理 | BMI18.5〜25未満を目標に。やせは早産リスク、肥満は妊娠糖尿病リスクに |
生活習慣改善 | 禁煙・節酒・週150分の有酸素運動を意識 |
予防接種 | 風疹・麻疹・HPVワクチンなど妊娠前に接種しておくと安心 |
性感染症の予防・検査 | コンドームの使用と定期的な検査で自分とパートナーを守る |
パートナーと話し合うことも大切
プレコンセプションケアは女性だけでなく、カップルで取り組むものです。
- お互いの健康状態を共有する
- 性感染症の検査を一緒に受ける
- 将来の妊娠・出産に向けたライフプランを考える
「二人で健康を守る意識」を持つことが、安心して子どもを迎える準備になります。
まとめ
- プレコンセプションケアは、妊娠前から健康管理を行う取り組み
- 晩婚化や生活習慣の乱れにより、若い世代でも重要性が増している
- 栄養・体重管理・生活習慣の改善・性感染症予防を今から始めることが大切
- 医療機関での検査・指導も活用し、プレコンセプションケアを継続していこう
- パートナーと共に考え、健康的な未来を築く第一歩に
妊娠するかどうかに関わらず、プレコンセプションケアは自分自身の健康と生活の質を高める習慣です。
若いうちからの取り組みが、将来の妊娠・出産、そして人生全体を豊かにします。
参考文献
- プレコンセプションケアセンター 国立成育医療研究センター
- 「日本のプレコンセプションケアを考える」 令和元年度厚生労働科学研究
- プレコンセプションケア(知ろう、妊娠のこと) 神戸市

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