風俗・立ちんぼ経由の梅毒感染、まだ流行してる?

SNSやニュースでもたびたび話題になる「梅毒」。
かつては古い感染症と思われがちでしたが、実は今、再び感染者数が増加し、社会問題として再び注目されています。
特に、風俗業や出会い系、さらには「立ちんぼ」と呼ばれる路上での性サービスを通じた感染が増えている現状が、多くの専門家から警鐘を鳴らされています。
「自分には関係ない」と思っていませんか?
実は、梅毒は症状がわかりにくく、自覚のないまま他者に感染させてしまうこともある感染症です。
この記事では、梅毒の基本知識や感染経路、現在の流行状況に加え、風俗・立ちんぼなどでの感染リスクとその対策についてわかりやすく解説します。
梅毒ってまだ流行してる?
罹患者傾向と最新の流行状況
一時は減少傾向にあった梅毒ですが、近年再びその患者数が増加しています。
東京都感染症情報センターによると、全国の報告数は2022年に過去最多を記録し、2023年も高水準を維持。
2024年以降もその勢いは衰えておらず、今や「若者の性感染症」として社会問題になりつつあります。
特に増加が目立つのは、20代〜30代の若い女性と、性的接触機会の多い男性です。
これに伴い、異性間性交渉による感染の割合も急増しています。
風俗店や出会い系サービスなど、性産業を介した感染が中心と思われがちですが、実は「立ちんぼ」と呼ばれる無店舗型の路上性交渉による感染リスクも無視できません。
コンドームを使用しない性交渉が多い、不特定多数と接触している、衛生管理が行き届いていないなど、梅毒感染が拡大する背景には複数の要因が重なっています。
梅毒って?
感染経路・症状・潜伏期間
梅毒は、トレポネーマ・パリダムという細菌によって引き起こされる性感染症です。
感染経路の多くは性行為で、特にオーラルセックス、膣性交、肛門性交など、粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。
また、母子感染(先天梅毒)も報告されており、妊娠中に梅毒に感染すると胎児にも影響が及ぶ可能性があります。

梅毒にはいくつかの段階があり、それぞれで症状が異なります。
- 第1期(感染後3週間〜3か月)
感染部位にしこりや潰瘍(硬性下疳)ができることがあります。
痛みは少なく、自然に治ることも多く、見過ごされやすい傾向にあります。 - 第2期(感染後数か月)
全身に発疹(バラ疹)やリンパ節の腫れ、倦怠感、発熱などの症状が見られます。
これも自然に消える場合があるため、見過ごされやすい段階です。 - 潜伏期(症状が一旦消える)
症状が始まったように見えても体内には菌が残っており、他者への感染リスクがあります。 - 第3期・第4期(数年後~)
放置すると心臓や神経、骨などさまざまな臓器に重大な障害をもたらします。
梅毒性大動脈瘤や進行麻痺など、命に関わる合併性も起こり得ます。
こうした進行を防ぐためには、早期発見・早期治療が極めて重要です。
治療と予防法
梅毒の治療は、抗菌薬(主にペニシリン系)を使って行います。
早期であれば、数週間の服薬で完治は可能です。
進行した場合は長期間の治療が必要となり、症状の回復が難しくなることもあります。
診断は血液検査で行われ、梅毒抗体の有無や活動性を確認します。
現在では保健所や性感染症専門のクリニックなどでも匿名で検査が受けられる体制が整っています。
予防には以下のような方法が有効です。
- コンドームを正しく使用する
- 不特定多数との性交渉を控える
- 定期的な性感染症検査を受ける
- 口腔内や外陰部に異常がある場合は性交渉を控える
とくに梅毒は粘膜や皮膚の微細な傷から感染するため、コンドームを使用していても感染を完全に防げるわけではありません。
そのため「検査による早期発見」が予防の柱となります。
心配なのは風俗より立ちんぼ?

性感染症の感染経路として「風俗」が注目されがちですが、実際には風俗店は衛生管理や性感染症対策を比較的徹底しているところが多く、定期的な検査を義務づけているケースもあります。
一方、立ちんぼと呼ばれる路上での性サービスは、店舗や管理者がいない分、衛生管理が行き届かず、感染症に対する知識も乏しい場合があります。
コンドームの使用が徹底されていない、感染歴の確認もできない、利用者のモラルにも差があり、結果的に風俗店以上にリスクが高いとされています。
また、立ちんぼの利用者層には、複数のパートナーとの性交渉歴がある人が多く、無自覚に梅毒を含む性感染症を広げている可能性も指摘されています。
注意すべきなのは、リスクの高低を業種や立場で単純に分類するのではなく、「誰と、どのように関わるか」が感染の可能性を左右するという点です。
重複感染もあり得る?予防と早期対応の重要性
梅毒に感染していると、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)や淋菌、クラミジアなど、他の性感染症への感染リスクが高まることが分かっています。
とくにHIVとの重複感染は注意が必要で、梅毒の皮膚潰瘍がHIVの侵入口となる可能性があるため、感染率が通常よりも高くなるとされています。
梅毒の感染が確認された場合は、他の性感染症の検査も併せて行うことが勧められています。
感染を自覚せずに放置すると、自身の健康を損なうだけでなく、他者への感染拡大にもつながります。
性感染症は「正しい知識」「予防」「早期の検査と治療」によってコントロールできる疾患です。
現在では、全国の保健所や一部の医療機関で、梅毒を含む性感染症の検査を匿名・無料で受けられる体制が整っています。
万が一感染していても、早期に治療を始めることで重症化を防ぐことが可能です。
感染のリスクは風俗利用だけにとどまらず、立ちんぼや出会い系など、不特定多数との接触を持つあらゆる場面に潜んでいます。
また、性の多様化が進む現代では、誰もが性感染症の当事者となり得る時代です。
不安を感じたときには、自己判断せず、専門機関での相談や検査を受けましょう。
それが、自分自身とパートナーの健康を守るための最善の方法です。
参考文献
- 梅毒の流行状況 東京都感染症情報センター
- 心配なのは「風俗より立ちんぼ」 デイリー新潮

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一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。
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