若い世代に性や妊娠・出産について正しい知識の普及を。「プレコンセプションケア」って知ってる?

「プレコンセプションケア」という言葉をご存知でしょうか。
若い世代が妊娠や出産などをするうえで必要なケアですが、具体的な内容をイメージできる方は少ないでしょう。
本記事では、プレコンセプションケアの概要や重要性、誰でもできるケアの具体例をご紹介します。
生活の質を向上させ、日々の健康を維持するためにもプレコンセプションケアを継続していきましょう。
プレコンセプションケアとは?

コンセプションはお腹の中に新しい命を宿すことを指します。
プレコンセプションケアとは、将来的な妊娠を踏まえ、女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことです。
プレコンセプションケアは、妊娠を計画する女性のみならず、すべての妊娠可能な年齢の女性にとって重要なケアです。
日常生活における健康管理を徹底することで、健康を維持できるようになるだけでなく、より充実した人生を歩めるようになります。
若い世代の男女の健康を増進し、より健全な妊娠や出産のチャンスを増やすためにも、プレコンセプションケアの推進が必要不可欠です。
未来を育むためにプレコンセプションケアの重要性を知ろう
昨今、日本が抱える社会問題の根本には、若い年齢層の男女への健康教育が十分になされていないことが考えられます。
望まない妊娠や児童虐待、性暴力や性感染症など、多くの子どもや若者がさまざまなリスクに晒されています。
産婦人科領域で考えると、妊娠を望む年齢が遅くなっている問題が深刻化しているのが現状です。
出産する年齢が高くなると、流産や早産、染色体異常や糖尿病などの合併症の頻度が高まると考えられています。
また、若い年齢のときに問題なく妊娠できたとしても、妊娠後にプレコンセプションケアを始めると遅いケースがあります。
慢性疾患である甲状腺機能異常や精神疾患、高血圧症や抗リン脂質症候群などにかかるリスクがあるからです。
昨今、女性のキャリア形成が難しく、結婚率低下や晩婚化、生活スタイルの乱れなどから生活習慣病や慢性疾患をもつ女性が増加しています。
このようなリスクを排除するためにも若いうちからプレコンセプションケアを継続しておくことが重要です。
若者に届けたい性と妊娠の正しい知識

女性の妊娠に関しては、医療技術の発展によって妊婦の死亡率や周産期死亡率がかなり減少したものの、子どもの先天異常や低出生体重児などは減っていません。
リスク因子としては、高齢や持病、やせや肥満といったものが挙げられます。
これらに対する知識が欠如していると、生活改善が遅れ、不妊症などのさまざまな問題が発生します。
プレコンセプションケアでは、妊娠する前から自身やパートナーが正しい知識を踏まえ、適切な体のケアをおこなうのが特徴です。
子どもを産むかどうかに限らず、自分自身で健康管理ができるようになることで、より質の高い人生が歩めるようになります。
理想の人生を実現するためにも、若いうちから性や妊娠に関する知識を深めておきましょう。
未来を守る第一歩若い世代のためのプレコンセプションケア

医療機関では、これから妊娠を考えている方や、安心して赤ちゃんを守りたいと考えている方に向けて、プレコンセプションケアのサポートをしています。
プレコンセプションケアでは、妊娠前に知っておくべきワクチンや感染症の情報、自身の血圧や栄養、体重や生活習慣管理に関する情報提供をします。
女性向けのプレコンセプションケア検査としては、おもに以下のとおりです。
- 身体測定:身長・体重・体格指数(BMI)・体脂肪・体組成を検査する
- 血圧測定:収縮期血圧・拡張期血圧を測定し、高血圧の有無を検査する
- 婦人科検査:子宮・卵巣の形態評価や子宮頸がん検査をおこない、子宮頚部に異常な細胞がないかを確認する
- 血液検査:血小板数・白血球数・肝機能・腎機能・電解質・脂質代謝・糖代謝などを測定する
卵巣機能や卵子の状態を確認したり、妊娠率に関係するビタミンDや葉酸の程度、甲状腺の異常や性感染症の有無などを調べる必要があります。
今からできるプレコンセプションケア

プレコンセプションケアは、誰でも簡単にいつからでも実践できます。
以下の対策を目安に、健康的な生活を送りましょう。
プレコンセプションケアの例 | 概要 |
---|---|
必要な栄養を摂取する | 以下の栄養素を積極的に摂取する。 葉酸:先天的な神経管閉鎖障害の予防や妊娠期の貧血・高血圧症候群の予防などにつながる。 鉄分:貧血や倦怠感などの防止につながる。 カルシウム:赤ちゃんの骨や歯などを生成する重要な役割がある。 |
体重管理を徹底する | やせ(BMI:18.5未満)は、貧血や骨粗しょう症などの病気の原因になるだけでなく、早産や低出生体重児分娩のリスクを招く。また、肥満(BMI:25以上)は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧などのリスクを高める。18.5〜25未満を目指して体重管理する必要がある。 |
生活習慣を整える | お酒の飲み過ぎや喫煙は、月経不順や不妊、胎児性アルコール症候群などを招くため、控える。また、1週間で「2時間半」を目安に運動をする。 |

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