腟カンジダを繰り返してしまう?治らない原因と再発を予防するために
腟カンジダは、とくに女性に発症する感染症です。
適切に対処できないと、陰部を中心にさまざまな症状が起こります。
本記事では、カンジダの症状や発症リスクとなるもの、治療法や予防方法について解説します。
腟カンジダとは?
腟カンジダとは、腟の中に生息するカンジダ菌が増え、かゆみやおりものなどの症状を引き起こす疾患です。
カンジダ自体は、健康な女性であっても腟や消化管、口内や皮膚に存在する常在菌です。
しかしストレスや疲労などが蓄積したり、風邪をひいたりするとホルモンの変化が起き、腟の中で増殖して発症します。
おもな症状は以下のとおりです。
- 外陰部・腟のかゆみ
- 外陰部・腟の痛み
- 排尿痛
- 性交時痛
とくに月経前の1週間は症状が悪化する場合があります。
カンジダが発症するリスク
カンジダが発症するリスクは以下のとおりです。
該当する方のなかで症状が出ている場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
エストロゲン過多
女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が過多になると、カンジダの発症リスクが高まります。
妊娠や閉経後のエストロゲン療法などで発症する場合があるため、対象者はリスクを把握したうえで治療を受けなければなりません。
症状は、病気によって異なります。
気になることや不安なことがあれば、遠慮なく医療機関を受診し、医師へ相談してください。
遺伝
研究によると、遺伝によって先天的にカンジダに対する免疫が低い方が存在することがわかっています。
性行為
セックス・オーラルセックス・アナルセックスによってカンジダが発症する可能性があります。
また、タンポン・ナプキン・腟洗浄液などの衛生用品の使用や、タイトな下着の着用などによって発症するリスクがあるため、注意しておきましょう。
避妊器具の使用
子宮内避妊器具や腟への海綿挿入などは、カンジダの発症に関係があるとされています。
カンジダを繰り返す方のなかで、避妊器具を取り外すことで改善したケースが報告されています。
免疫抑制剤の使用
長期のステロイド薬や免疫抑制剤を服用している場合、カンジダに感染するリスクが高まるため、担当の医師と相談しながら対策することが必要です。
抗生物質の使用
抗生物質を使用すると、真菌などの病原体の増殖が促進され、カンジダが発症するリスクが高まります。
糖尿病
血糖コントロールが不良の場合、カンジダに感染しやすいとされています。
とくに2型糖尿病になると、非アルビカンスカンジダ種になるリスクが高くなるため、注意が必要です。
乳酸菌の減少
乳酸菌が減少すると、カンジダの感染リスクが高まります。
カンジダの検査方法
カンジダのおもな検査方法は2つです。
①顕微鏡検査
1つ目は、顕微鏡検査です。
おりものを採取したあと、グラム染色もしくは水酸化カリウムを添加して顕微鏡で観察します。迅速に診断できる点がメリットではあるものの、若干の見逃しがあるのがデメリットとされています。
②培養検査
2つ目は培養検査です。
カンジダ専用の培地で培養して結果を判定する方法です。
結果がわかるまでは4〜5日程度かかります。
カンジダの治療法
カンジダを治療するためには、腟錠や経口薬、抗真菌薬を活用する必要があります。
薬によっては、頭痛・吐き気・発疹・一過性の肝機能異常などの副作用が起こる場合があるため、医師と相談のうえ治療を進めてください。
カンジダの予防方法
カンジダを予防する方法は以下のとおりです。
日々の生活をおくるうえで予防策となる方法を実践していきましょう。
生理用ナプキンをこまめに替える
ナプキンを長時間替えないと、不衛生な状態が続き、カンジダの発症の原因になります。
ナプキンはこまめに替えましょう。
また、おりものシートやタンポンを使用している場合も同様です。
通気性の良い衣類を着用する
通気性が悪い下着を着用すると、陰部が蒸れてしまい、カンジダが感染する原因になります。
ウール・綿・シルクなどは通気性が良いため、おすすめです。
また、下半身を締め付けるようなタイトなズボンやタイツ、ストッキングなども控えておきましょう。
ストレス対策する
ストレスが蓄積すると、免疫力が落ち、カンジダの発症リスクを高めます。
ストレスがたまりがちな方は、以下の対策を実践してください。
- 睡眠時間を十分に確保する
- ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をおこなう
- 適度に気分転換をする
- 食事の栄養バランスを整える
- 疲労しすぎないように適度に休憩を取る
- 没頭できる趣味の時を確保する
- お風呂に浸かる
腟内まで洗わない
入浴時に陰部を洗浄する場合は、ぬるま湯で優しくなでるように洗いましょう。
決して腟内まで洗わないようにしてください。
トイレのビデを使用する場合も、腟内まで洗わないことが大切です。
糖質を摂取しすぎない
はちみつや果物、お菓子や清涼飲料水には、カンジダの増殖を助長する果糖やブドウ糖などが含まれています。
過剰に食べないように注意しておきましょう。