性病の知識

献血で性感染症に感染しているか調べられるってホント??

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「献血で性感染症に感染しているか調べられるってホント?」
現在、このような話を聞き、献血目的ではなく性感染症の検査を目的として献血を受ける方が増えています。
これは、本来の献血の目的から逸れるものであり、望ましい状態ではありません。

もし献血で性感染症の検査を検討している方がいる場合は、本記事を読み、本来の献血の目的を再認識しておきましょう。
もし、性感染症の検査を目的とする場合は、医療機関や保健所、性病検査キットを利用して検査してください。

献血の目的

献血とは、手術や疾患治療などで輸血を必要としている患者さんのために、健康な人が自身の血液を無償で提供するボランティアです。

輸血に必要な血液は、人工的に作ることができず、長期的に保存できません。
そのため、献血によって人の血液を提供してもらうことが必要です。

献血の提供者は、年々減少傾向にあります。
10〜30代の献血提供者は、10年間で33%も減っており、血液の安定供給に支障が出る可能性があるとされています。
今後、必要な患者さんに血液を送り届けるためには、若い世代の献血への協力が重要です。

献血の流れ

まずは受付を済ませる必要があります。
本人確認ができる運転免許証や保険証などを提示してください。
その後、問診や体温・血圧測定などをおこないます。
少量の採血を実施し、血液の濃さや献血の可否を確認します。

診断結果に問題がなければ採血を受けてください。
終わったら、十分に水分補給し、最低でも10分以上は休憩しましょう。

献血カードを受け取ったら終了です。
終了後は、以下の点に注意しておきましょう。

  • 階段の上り下りなどは避けてください
  • 階段の上り下りなどは避けてください
  • 重い荷物を採血した側の上で持たないでください
  • 気分が悪くなったら無理をせずに横になってください
  • (男性の場合)採血直後のトイレは座って済ませてください

献血でなぜ性感染症に感染しているかわかるのか

日本赤十字社では、輸血用の血液の安全性を確保するために、輸血された血液に対して感染症検査を実施しています。
献血をすると、以下の感染症に罹患している方に対し、郵便で通知されます。(希望者のみ)

なかには、性感染症の検査を目的として献血を受ける方が後を絶たず、輸血を受ける患者さんの感染リスクが高まったため、現在は上記以外の感染症で陽性判定だった場合は原則通知されません。
たとえば、以下に該当する方の場合、献血が受けられません。

  • 不特定多数の方と性的接触があった
  • 男性同士の性的接触があった
  • 麻薬・覚醒剤を使用した
  • エイズ検査の結果が陽性だった
  • 上記に該当する方と性的接触をもった

性感染症のリスクがある方が献血を受けると、輸血が必要な患者さんに危険が及びます。
性病検査を目的とした献血は絶対にしないようにしましょう。

性感染症の検査は専門の医療機関や保健所で受けよう

保健所や医療機関で検査を受けよう

性感染症の検査をする場合は、保健所や医療機関で受けるようにしましょう。
性病を放置すると、知らない間に症状が進行し、重篤な健康被害が起こる場合があります。
場合によっては、死に至るケースもあるため、早期発見・早期治療が重要です。

性病検査キットで検査することも可能

「保健所や医療機関で受診するのに抵抗がある…」「そもそも保健所や医療機関に行く時間がない…」といった方もいるでしょう。
そのような場合は、性病検査キットで検査することをおすすめします。
性病検査キットは、検査していることが周囲にばれる心配がありません。
また、病院に行かずとも自宅で検査できるため、医療機関を受診する時間がない方にも適した方法です。
検査結果は、検体を送ってから最短翌日には確認できます。
パソコンやスマートフォンで判定結果が参照できるため、非常に便利といえるでしょう。
性病検査を要望しながらも、体調を崩し、直接医療機関に訪問できない方がいます。
そのような方であっても、簡便に検査が受けられるのがメリットです。

性感染症の検査目的の献血は絶対にやめよう

献血は、血液が必要な患者さんに送り届けるためのボランティアです。
個人の自由で参加できるものですが、性感染症の検査目的で受ける方が増えると、献血制度の信頼性がなくなります。

その結果、血液が必要な患者さんに届かなくなり、疾患治療が進まなくなってしまいます。
そのため、感染症の検査を目的とする献血は絶対に控えておきましょう。

万が一、性行為後に体調が優れない場合は、保健所や医療機関を受診し、適切な性病検査を受けてください。

どうしても人目につくのに抵抗がある方は、性病検査キットを活用し、自宅で検査することをおすすめします。

性病は放置すると、取り返しのつかない事態に発展する場合があります。
日々の生活を健康に生きるために、自己管理を徹底し、必要に応じて適切な方法で性病検査を実施しましょう。

少しでも違和感を感じたら、一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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