性病の知識

性病検査は自宅でもできる?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性病に感染し、そのまま放置してしまうと、重篤な健康被害を引き起こす恐れがあります。
症状の悪化を防ぐためには、定期的に性病検査を行い、性病を早期に発見する必要があります。

本記事では、代表的な性感染症や自宅でできる性病検査キットについて解説します。
性病の症状が悪化する前に発見し、正しい処置を受けましょう。

代表的な性感染症

性感染症の一部、代表的なものをご紹介します。
以下の症状に心当たりがある場合は速やかに性病検査を実施しましょう。

 クラミジア感染症

クラミジア感染症は、日本で最も感染者数が多い性病であり、クラミジアトラコマティスと呼ばれる細菌が粘膜に付着することで感染します。
男性が感染すると尿道の痒みや痛み、膿などが生じます。
女性が感染すると、不正出血や下腹部の痛み、おりものの増加が生じます。

のどに感染する場合もあり、これを「咽頭クラミジア」といいます。
咽頭クラミジアになると、のどに痛みや違和感を感じることがありますが、無症状なことが多いとされています。
 

 淋病

淋病は、淋菌と呼ばれる病原菌が粘膜に付着することで感染します。
男性が感染すると、尿道から膿が出たり、排尿時に激しい痛みを感じたりします。
女性が感染すると、下腹部に痛みが生じたり、おりものが増加したりします。症状がない場合もあるでしょう。

淋病ものどに感染する場合があり、これを「咽頭淋病」といいます。
こちらものどの痛みや違和感を感じたり、無症状であったりします。
 

 梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因となり、梅毒の病変部が皮膚や粘膜と接触することで感染します。
病変部にしこりや発疹・かゆみが生じます。
時間の経過とともに症状が変化し、治療をしないまま数年経過すると、全身にコブのような腫瘍(ゴム腫)が現れることがあります。
 

 カンジダ

カンジダはカンジダ属の真菌と呼ばれるカビの一種が感染して発症します。
男性が感染すると、尿道炎が起きたり亀頭周辺の皮膚が赤くなったりする場合があります。
女性が感染すると、膣炎や外陰炎になる場合があります。

カンジダは正常な人でも持っている常在菌で、性交渉をしていなくても感染する性感染症です。
体調不良など免疫力が低下した際に自己感染するケースが多いとされています。
 

マイコプラズマ・ウレアプラズマ

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、マイコプラズマ(マイコプラズマ・ジェニタリウム/マイコプラズマ・ホミニス)、ウレアプラズマ(ウレアプラズマ・パルバム/ウレアプラズマ・ウレアリチカム)のいずれかが性交渉によって粘膜に付着することで感染します。
感染しても無症状なことが多かったり、クラミジアや淋菌と似た症状が現れるため、検査をしなければ判別ができません。

重複感染しているかも?

性病は1種類かかったからといって、他の性病にかからないわけではありません。
同時に複数の性病に感染してしまう「重複感染」のリスクがあります。

性病はほとんどが性的接触によって感染します。
感染経路が同じものが一度に感染していることは決して珍しくはありません。
症状が似ているものもあるため、症状から種類を判断することは難しいでしょう。

最も多いのはクラミジアと淋病の重複感染です。
自覚症状が似通っており、有効な治療薬も異なるため、「一方の検査だけしてもう一方は放置される」「治療が終わったはずなのに症状が改善されない」といったケースもあります。
性病にかかったかも、と思った場合には重複感染をしている可能性を考え、疑わしい症状が少しでもあるなら、セット検査の実施を推奨します。

治療せずに放置するとどうなる?

性病は治療をしなければ治ることがない病気です。
治療をしないまま放置してしまうと重篤な健康被害を引き起こす恐れがあります。

自覚症状がほとんどない性病でも排尿時の痛みや痒みを感じるようになったりと症状が悪化することがあります。
症状が悪化するだけでなく、子宮頸がんや不妊症、無精子症の原因となったり、早産や流産の原因にもなり得ます。
種類によっては、何年もかけて少しずつ浸食して免疫力を破壊したり、臓器や神経にも影響を及ぼすものもあります。
最悪の場合、命を落とす危険性もあるのです。

性病は早期発見・早期治療によって治る病気とされています。
取り返しのつかない事態になる前に検査を受け、正しい処置を受けましょう。

検査は病院にいかないといけない?

性病検査は病院に行かなくても受けることができます。
今では自宅で行える検査キットが販売されているため、病院に行くのは抵抗がある…という方は一度検査キットで調べてみるのも良いでしょう。
また、匿名性も担保されるため、誰にもバレる心配がありません。

しかし、万が一陽性だった場合には医療機関を受診し治療を受ける必要があります。
医療機関での検査であれば治療も一貫して行ってくれる所もあるでしょう。
検査キットと医療機関での検査、自分に合った方法で自身の身体を守りましょう。

西梅田シティクリニックではお気軽に性病検査を受けることができます。
予防のための定期検査やブライダルチェックなど、症状がなくても検査が可能です。
ご不安なこと、ご不明な点等ございましたらお気軽にご相談ください。

◆性感染症内科/西梅田シティクリニック:https://nishiumeda.city-clinic.jp/std/


監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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