性病の知識

性感染症と不妊症は関係ある?性感染症が与える影響について解説します

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性感染症と不妊症は関係ある?

「性感染症と不妊症って関係あるの?」

このように疑問を持つ方がいるのではないでしょうか。

結論として性感染症にかかることで、身体にさまざまな影響が起こり、不妊症につながる可能性があります。そこで今回は、性感染症と不妊症の関係性や、性感染症が与える影響について解説します。不妊症でお悩みの方は、ぜひ参考にしていただき、治療に臨んでください。

性感染症が不妊症につながる理由

性感染症は感染していても症状が出ない時期があり、発見が難しい場合があります。そのため、気づかないうちに他人に感染させる可能性があるでしょう。また気づかないうちに不妊症になるケースもあります。

たとえばクラミジア感染症の場合、クラミジアの病原体が骨盤腹膜や子宮内膜などに達すると、卵管が閉塞する可能性があります。症状の発見が遅れれば遅れるほど、女性器に影響が及び、不妊症になる場合があるでしょう。

また淋菌感染症の場合は子宮頸管炎を引き起こし、不妊の原因になります。

女性の場合は、無症状のケースがあるため、発見が難しくなる可能性があります。結果、症状が悪化し、体外受精や人工授精などの手段を取らなければならない場合もあるのです。

近年は若年層の性感染症患者が増加していると言われ、10代の女性が不妊症になるケースもあります。若年層であっても、コンドームを使用することで性感染症の防止ができる可能性が高まることは知っています。しかし、全ての若年層がこのことをしっかり理解できているわけではありません。

もし治療を行って性感染症が完治できたとしても、ダメージが蓄積された卵管は元に戻りません。このような状況になる前に、性感染症は早期発見し、早期治療が必要不可欠になります。

性感染症になって不妊症になるのは女性だけではない?

性感染症になり不妊症になるのは女性だけではありません。男性が性感染症になることで影響を受け、不妊症になることもあります。

たとえば男性がクラミジア感染症になった場合、若い前立腺患者の精液の質が低下するというデータがあります。また、ある研究では、影響はわずかであるが不妊症の罹患率が高まることがわかっているのです。

出典:Chlamydia trachomatis infection is related to poor semen quality in young prostatitis patients
出典:Reproductive tract complications associated with Chlamydia trachomatis infection in US Air Force males within 4 years of testing

最新の研究では、クラミジアが精巣に感染することで、精子の形成を阻害する可能性があることがわかりました。

クラミジア感染症は、国内の性感染症の中で最も感染者が多いと言われています。

※HPV(ヒトパピローマウイルス)を除く

国内での感染者数は100万人以上であり、若年層に感染者が多いです。10年前から感染者が増え、性行為の経験がある20代前半の女性の5〜10人に1人はクラミジア感染患者と言われています。

精液中にHPV(ヒトパピローマウイルス)が感染した場合、精子の運動率が下がると言われています。これ以外にもHIVやトリコモナス、肝炎ウイルスなども悪影響を及ぼす可能性があるとされています。このように、男性であっても性感染症に感染すると、不妊症になる可能性があります。

性感染症は性行為によって女性にも感染する可能性があるため、注意が必要です。気づかないうちに女性に感染し、女性が不妊症になる可能性もあるのです。症状が出ない場合もあるため、より警戒しておかなければなりません。

妊活する際は性感染症検査を受けよう

性感染症にかかると、不妊症になる可能性があります。リスクを減らしながら子供を作るためにも、性感染症検査は必要です。妊活前には、必ず性感染症検査を行い、性感染症にかかっていないことを確認して妊活しましょう。

性感染症は気づかない間に進行し、症状が悪化する可能性があります。場合によっては長期的な治療が必要になったり、緊急手術が必要になったりすることもあります。取り返しのつかないことになる前に、まずは性感染症対策をしっかりしておきましょう。

不特定多数の人と性行為をしてしまうと性感染症の感染リスクが上がるため、注意が必要です。性行為をする際は、必ずコンドームをして感染のリスクを下げましょう。上記を守りつつ、定期的な性感染症検査を行うことでリスクが減らせます。

性感染症に感染することで、卵管狭窄や卵管閉塞などが起こる可能性があります。また卵管にダメージが蓄積されると、卵子が取り込めなくなり、妊娠に支障が出る可能性があるでしょう。男性が感染する場合でも、精子に悪影響が出る可能性があります。

男女ともに健康な状態で妊活をするためにも、性感染症対策は日頃から行っておきましょう。

まずは性感染症検査を定期的に行うこと。これを実践することが大切になります。

少しでも違和感を感じたら、一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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