実は似ている?クラミジアとカンジダの症状の違いを解説

実は似ている?クラミジアとカンジダの症状の違いを解説
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「おりものがいつもと違う」「デリケートゾーンがかゆい」——こうした症状が出たとき、多くの方が気になるのが性感染症や腟内の感染です。
特に、クラミジアカンジダは名前を聞いたことがある方も多く、よく混同されやすい感染症です。
実際に症状が似ているため、見分けが難しい場合もあります。

このコラムでは、クラミジアカンジダの違いを、症状・検査・治療・予防の観点から詳しく、かつわかりやすく解説していきます。
それぞれの特徴を理解することで、からだの変化に早く気づき、適切な対処ができるようにしましょう。

症状の違い

女性に見られる症状の特徴

クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという細菌によって引き起こされる性感染症です。
性交渉を通じて感染し、特に女性では感染初期に無症状のまま進行するケースが多いのが特徴です。
女性のクラミジア感染によく見られる症状は次の通りです。

  • 性交時の痛み(性交痛)
  • 下腹部痛や鈍痛
  • 月経とは無関係の不正出血 
  • おりものの増加や、黄緑色〜黄色っぽい膿のような変化 

これらの症状は、​​子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患(PID)へ進展すると不妊の原因になることがあります。

一方、カンジダは真菌(カビ)の一種であるカンジダ・アルビカンスが過剰に増殖することで発症します。
性行為を介して感染する場合もありますが、性交渉がなくても発症する点がクラミジアとは異なります。

女性に多く見られるカンジダの症状は以下の通りです。

  • 外陰部の強いかゆみやヒリヒリ感 
  • 酒かす状やヨーグルト状の白いおりもの 
  • 腟や外陰部の腫れ、赤み 
  • 排尿時の軽い痛みや違和感

つまり、クラミジアは主に体内で起こる炎症や痛みが中心であるのに対し、カンジダは外陰部の不快感やおりものの性状変化が顕著です。

男性に見られる症状の特徴

男性がクラミジアに感染した場合にも、無症状で経過することがあり、症状が軽いため、感染に気づかないケースもあります。
特に自覚症状が少ないと、パートナーへの感染に気づかず放置してしまうこともあります。

男性のクラミジア感染による典型的な症状は以下の通りです。

  • 尿道からの分泌物(透明〜乳白色) 
  • 排尿時の痛み、かゆみや灼熱感
  • 陰嚢の腫れ、痛み(副睾丸炎の可能性)

一方、カンジダは男性においては比較的まれですが、特に包茎の方や免疫力が低下している人では発症しやすくなります。

男性に見られるカンジダの症状は以下の通りです。

  • 亀頭や包皮のかゆみ、赤み
  • 白くこびりついたような膜状の汚れ
  • 亀頭のヒリヒリ感、不快感

以下に男女別にクラミジアとカンジダの主な症状をまとめます。

クラミジアの主な症状カンジダの主な症状
女性・おりものの増加や変化(黄緑色・膿のような色)
・性交時の痛み
・下腹部痛
・不正出血
・外陰部の強いかゆみ
・ヒリヒリ感や赤み
・酒かす状やヨーグルト状のおりもの
男性・尿道からの分泌物(透明〜白っぽい)
・排尿時の痛みや違和感
・睾丸や陰嚢の痛み・腫れ
・亀頭や包皮のかゆみ・赤み
・白くこびりつくような汚れ
・ヒリヒリした違和感

どちらの感染症もデリケートな部位に症状が現れるため、早期の診断と治療が求められます。

検査方法 

性病 検査

症状だけではクラミジアカンジダの区別は難しいため、医療機関での検査が非常に重要です。

クラミジアの検査 

  • 女性:子宮頸部や腟の分泌物を採取し、核酸増幅法(PCR)による検査。
  • 男性:尿や尿道分泌物を採取して同様の検査。

カンジダの検査

  • 女性: 腟分泌物や外陰部を綿棒でぬぐい、顕微鏡観察や培養によって真菌の有無を確認。比較的簡便で痛みが少なく、結果も短時間で得られます。

どちらも比較的簡単で痛みの少ない検査です。
検査結果が出るまでの時間も短く、正確な診断と早期治療につながります。

治療方法 

クラミジア 

細菌による感染なので、抗生物質による治療が基本です。
よく用いられる薬には、アジスロマイシン(ジスロマック)やクラリスロマイシン(クラリス)などがあり、通常は1回の内服または数日間の服用で改善します。

カンジダ

真菌による感染のため、抗真菌薬を使用します。
腟錠や外用薬(クリーム・軟膏)による局所治療が主流ですが、再発を繰り返す場合や重症例では内服薬(フルコナゾールなど)も用いられます。

カンジダは自己判断で市販薬を使用する人も多いですが、類似した症状の別の疾患である可能性もあるため、医師による診断が安心です。

予防法 

性感染症としての予防策 

クラミジアは明確に性感染症であるため、コンドームの使用が最も効果的な予防法です。
性行為の際は常に使用することが望ましく、パートナーとともに定期的な検査を行うことも重要です。
カンジダは必ずしも性感染ではありませんが、性交渉でうつるケースもあるため注意が必要です。
体調不良やストレス、抗生物質の使用によって菌が増殖することもあるため、日頃からの体調管理が予防につながります。

デリケートゾーンのケア方法 

洗いすぎはかえって常在菌のバランスを崩し、カンジダの原因になります。
石けんを使用せず、ぬるま湯だけで優しく洗うことが基本です。
また、通気性のよいコットン素材の下着を選び、汗や湿気をため込まないよう心がけましょう。
トイレの後の拭き取りも、前から後ろへと拭くなど清潔を保つ工夫が必要です。

日常生活での注意点

  • 睡眠不足やストレスを避け、免疫力を保つ
  • 抗生物質を使用する際は医師の指示を守る
  • 糖尿病や妊娠中など、免疫が低下しやすい状態では特に注意
  • 異常を感じたら早めに医療機関を受診する

症状が似ていても原因は異なる!迷ったら受診を 

クラミジアカンジダは、「おりものの異常」「かゆみ」「痛み」など似たような症状を持っていますが、原因となる病原体はまったく異なり、治療法も予防法も異なります。
市販薬で一時的に症状が改善したとしても、根本的な治療になっていない可能性があります。
また、クラミジアを放置すると不妊や他の病気のリスクが高まることもあるため、見逃さずに早期に対応することが大切です。

少しでも気になる症状がある場合は、医療機関での検査と診断を受け、正しい治療を受けることが、健康を守る最善の方法です。
感染症への理解と予防策を身につけ、日々を安心して過ごしましょう。

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参考文献
腟カンジダとは 田辺三菱製薬
膣カンジダの原因・症状について解説 ロート製薬

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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