HIV

今は無縁でも、いつかの妊娠のために。性感染症に今から気を付けよう

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性感染症が妊娠や出産時にも悪影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか。
現在は性感染症とは無縁と思っていても、気づかないうちに感染し、健康被害が起こることもあります。

本記事では、性感染症の影響範囲や予防策について解説します。
必要に応じてパートナーと性感染症に関する理解を深め、適切な予防策を実践しましょう。

性感染症とは?将来の妊娠にどう影響するのか

性感染症とは、性行為で感染する疾患の総称です。
細菌やウイルス、原虫などが肛門や性器、泌尿器や口腔などに接触することで感染します。

人によっては、症状が軽かったり、自覚症状がなかったりすることもあります。
一方で、性感染症の種類によっては重篤な健康被害を引き起こす場合があり、命に関わることもあるでしょう。

また、性感染症にかかると卵管周囲癒着卵管の閉塞を起こすことがあり、不妊の原因になります。
場合によって流産新生児への影響も起こることがあるかもしれません。

近年ではクラミジアや梅毒、淋菌の感染が増加しているため、感染対策の重要性が叫ばれています。

感染のリスクを減らす!今からできる予防策

性感染症は個人の対策によって予防につながる場合があります。感染のリスクを減らすために以下の対策を実践しましょう。

感染予防策概要
性行為の前後にシャワーを浴びる性器や皮膚、口内には性感染症の原因になる病原菌が付着しているため、性行為の前後にシャワーを浴びることで洗い流すことが重要。
性行為前に排便を済ませる便の中には存在するウイルスが口内に感染する可能性があるため、排便を済ませ、肛門付近を清潔にしておくことが重要。
相手の性器を確認する下記の状態になっている場合は、性行為を避ける必要がある。
男性:性器にイボやぶつぶつがある・尿道から膿が出るなど
女性:性器にイボやぶつぶつがある・悪臭などがある
性器を傷つけない伸びた爪で性器の粘膜を傷つけると、病原菌が侵入する原因になるため、性行為前に爪が伸びていないかチェックすることが重要。
体調不良時・生理中は性行為をしない疲れがたまっていたり、抵抗力が下がっていたりするときに性行為をすると、性感染症に感染する可能性が高まる。生理中の場合、女性の性器がデリケートになり、傷つきやすくなる。それぞれの状態の場合、性行為を控える必要がある。
屋外で性行為をしない屋内に比べて屋外は、細菌やウイルスに感染しやすくなる。とくに公園や砂浜、車内などは感染のリスクが高まるため、控える。
寝具を清潔にする寝具が不衛生な状態のままだと、毛じらみなどに感染する可能性があるため、常に清潔な寝具を整えることが大切。

気づきにくい性感染症の症状とサイン

性感染症にかかっても自覚症状が出ない場合がありますが、明らかなサインが出るケースもあります。
気になる方は以下のサインが出ていないかをチェックしてみましょう。

性感染症のサイン概要
性器クラミジア男性:尿道のかゆみ・排尿時の痛み女性:不正出血・おりもの
性器ヘルペスかゆみ・痛み・水疱・びらん・不快感
淋菌感染症(淋病)男性:尿に膿が出る・排尿時の痛み女性:不正出血・おりもの
梅毒ただれ・しこり
尖圭コンジローマ性器や肛門にカリフラワー上のイボ・できものができる
トリコモナス男性:排尿時の痛み・頻尿女性:かゆみ・おりものの増加
性器カンジダ男性:かゆみ・水疱女性:発疹・外陰部のかゆみ・おりものの増加

妊娠を考える前に!プレコンセプションケアって知っていますか?

プレコンセプションケアとは、年齢の若い男女がライフプランを考慮し、日々の生活や健康に向き合うことです。

若いうちから正しい知識を踏まえ、健康的な生活を送ることで健やかな妊娠や出産につながり、将来の子どもの健康の可能性が広がります。

プレコンセプションケアのおもな取り組みは以下のとおりです。

プレコンセプションケアのおもな取り組み概要
適度な運動適度な運動を心がけることで血流が良くなり、代謝が高まる。
1週間に150分程度の運動を目安として取り組むことを目標とする。
適正体重の維持以下の計算式を踏まえ、BMIを18.5〜24.9(理想値は22)に保つ。
BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
バランスの良い食事主食・副菜・主菜・乳製品・果物を揃え、栄養バランスに配慮した食生活を心がける。

パートナーと話し合おう!性感染症予防のためのコミュニケーション術

性感染症を予防するためには、パートナーとの適切なコミュニケーションが重要です。
お互いの健康状態に関してオープンに話し合える関係性を築くことが求められます。

また、性病に関する知識を共有することも大切です。
性病の種類や感染経路、予防方法について学びを深めていくことも必要です。
性病予防の一環として定期的な健康チェックを受けることで、性病の早期発見・早期治療にもつながります。

お互いの健康状態が確認しやすくなるため、安心感をもって生活できるようになるでしょう。
性病によってはワクチンによって感染を防ぐことも可能です。
必要に応じて予防接種を受け、健康状態を維持しましょう。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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