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ネットの情報を鵜呑みにしていませんか?抗菌薬を飲んでいれば性病は治るわけではありません

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「抗菌薬を服用すれば性病は治る」
このようなネットの情報を見かけたことはないでしょうか。

結論からいうと、性病は抗菌薬を飲めば必ず治るわけではありません。
性病の治療法は、性病の種類や患者さんの容態などによって異なります。

本記事では、抗菌薬の概要や性病の治療法、誰でも実践できる性病対策について解説します。
日頃から性病に対して正しい知識をもち、感染対策を徹底していきましょう。

抗菌薬ってどんな薬?性病治療での役割を正しく理解しよう

抗菌薬とは、細菌の増殖を抑制したり、破壊したりする薬です。
たとえば、代表的な抗菌薬であるペニシリンの場合、細菌の細胞壁の合成を阻害します。
一方で、抗菌薬は、細菌以外の病原体が原因となる感染症には効果が期待できません。

また、抗菌薬は腸内の環境を維持している細菌に対しても攻撃してしまうため、他の薬と同様に副作用が出る可能性があります。

抗菌薬にはさまざまな種類があり、どの部位に起きた感染症なのか、どういった細菌なのかによって治療に適する抗菌薬が処方されます。

それぞれの薬によって服用回数服用方法副作用などが異なるため、服用する際は、医師や薬剤師の説明のとおりに服用してください。

抗菌薬だけでは不十分!治療が長引く性感染症の理由

細菌にとって抗菌薬は猛毒です。
そのため、抗菌薬を服用すると細菌は薬の効果を無効にするために、細菌自体を覆う膜を変化させます。

細菌内に入ってくる薬は外に汲み出し、細菌内で抗菌薬が作用する部分を変化させ、薬の効果が出ないように対策をします。
また、抗菌薬が細菌に届く前に化学反応を引き起こし、分解させるのが特徴です。

このような動きは、細菌本来の能力であり、他の細菌から譲り受けたり、抗菌薬投与によって誘導されたりします。

抗菌薬を投与しても、薬の耐性をもたない細菌は死滅しますが、薬剤の耐性をもつ菌は増殖し続ける場合があります。
そのため、抗菌薬を投与する際は、その薬がどのような菌に効果があるのかや、どのくらいの投与量が必要かを見極めなければなりません。

抗菌薬の種類を誤ったり、適切な量の投与ができなかったりすると、性感染症を含む病気が長引く原因になります。

ネット情報に注意!性病治療にまつわるよくある誤解

「クラミジアや淋病が自然治癒した」といった話を聞いたことはないでしょうか。
結論からいうと、性病は自然治癒しません
人間には免疫力が備わっているものの、その力があったとしても、性病に対処することは不可能です。
そのため、性病を治療するためには、医療機関を受診し、薬を処方してもらう必要があります。

排尿痛やかゆみなどの症状がある場合は、放置せず、速やかに医療機関で適切な検査を受けましょう。

性病治療の正しいステップとは?早期発見から完治までの道のり

性病のための治療法は、性病の種類によって異なります。具体的な内容は以下のとおりです。

治療方法対象疾患
内服薬梅毒
クラミジア
HIV/エイズ
ヘルペス
トリコモナス
マイコプラズマ・ウレアプラズマ
カンジダ
一般細菌赤痢アメーバ
腟錠カンジダ
細菌性腟炎の一部
点滴淋病
外用薬尖圭コンジローマ
カンジダ

性病の症状が出ている場合は、速やかにかかりつけのクリニックで検査および治療を受けましょう。
「近場に医療機関がない」「どうしても直接来院するのには抵抗がある」
このような方の場合は、オンライン診療を受けることをおすすめします。

性病に心当たりがない方であっても、一般的な性行為をおこなうだけで性病に感染する可能性があります。
性行為のあと体調が優れず、いつもと様子が異なる場合は、医療機関を受診してください。

パートナーも忘れずに!感染拡大を防ぐためのポイント

性病の感染拡大を防ぐためには、性行為をしないことが最も効果的です。
また、性行為の相手を限定することも重要です。
信頼できるパートナーのみと性行為をすれば、感染のリスクは下げられます。

一方で、不特定多数の方と性行為をすると感染のリスクが高まり、気づいたときには感染の影響を受ける可能性もあるでしょう。

パートナーと一緒に定期的に性病検査を受け、問題ないことをお互いに確認した状態が作れていれば問題ありません。

また、性行為をする際は、コンドームを使用することも重要です。
コンドームは腟性交時だけでなく、口腔性交や肛門性交の際にも必ず使用してください。
とはいえ、コンドームを使用したからといって、性病が必ず防止できるわけではありません。
大切なのは、性病感染に対する対策をできる限り行うことです。

「体調不良の際に性行為しない」「性行為の前後にシャワーを浴びる」「寝具を清潔に保つ」といった対策を徹底することも重要です。

自身だけでなく、大事なパートナーの健康状態も損なわないよう、正しい知識のもと性病対策を実践しましょう。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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