性病の知識

コンドームをつけていても性感染症に感染する確率は?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

コンドームを避妊具として認識している人は多いでしょう。
実はコンドームには性病感染を防止する重要な役割もあります。
本記事ではコンドームを着用する意義や目的、防止できる性病の種類や着用のポイントなどを解説します。
性行為をする際は、自分や大事な人を守るためにも、コンドームをしっかり装着しておきましょう。
また、必要に応じて性病検査を受診することも大切です。

コンドームが性感染症の予防効果に有用な理由

一般的に、コンドームを避妊具としての役割をイメージする方は多いとされています。
しかし実際は、医学的にコンドームは性病予防としての役割が大きいと考えられています。

クラミジアHIV淋病梅毒といった性病の多くは、皮膚や粘膜との接触によって起こるのが特徴です。

性病感染は、おもに精液や腟分泌液、血液などを介して起こります。
コンドームは、とくに性病のリスクとなる直腸内や膣内への陰茎挿入による接触を防止できるため、感染予防効果が期待できます。
性行為をする際は、自分や相手を守るためにも、必ずコンドームを装着しましょう

コンドームでどれくらい性病予防効果があるのか

たとえばHIVの場合、接触の仕方によって性病のリスクは変わりますが、およそ80〜90%のリスク低減効果があるとされています。
また、南米の研究によるとコンドームを毎回使用していた場合のクラミジアの感染防御効果は26%、淋病に関しては62%の効果があったと報告されています。

もちろん100%性病感染を防げるものではありません。
しかし、自分や大事なパートナーを守る手段としては十分に機能します。

着用することで予防できる代表的な病気

コンドームを装着すると、おもに以下の性病感染の防止が期待できます。
性行為をする際は、必ずコンドームを使用しましょう。

HIV

ヒト免疫不全ウイルスに感染すると、HIVを発症します。
近年では、適切な治療を受けることでエイズの発症を対策できるようになりました。
しかし、エイズを引き起こす性病であることに違いはありません。
HIVの感染経路は複数ありますが、性行為の場合、腟分泌液や精液が粘膜に触れることで感染します。
そのため、コンドームを着用すると、感染リスクを下げることが可能です。
HIVに感染すると、喉の痛みや発熱、頭痛や筋肉痛といったインフルエンザのような症状が出ます。
一定時間経つと症状は和らぐものの、自然治癒することはなく、適切な治療を受けなければエイズを発症します。

クラミジア

クラミジアは、国内感染者数が100万人を超えるとされており、10〜20代の若年層で感染者数が多い性病です。
クラミジア感染者と性行為をすると、2分の1の確率で感染するとされています。
また、性器だけでなく、尿道や喉にも感染します。
クラミジアに感染すると、男性の場合は精巣上体炎や尿道炎などを発症し、女性の場合は子宮頸管炎などを発症するのが特徴です。
女性の場合、無症状で済むことがあり、症状が出たとしても性交時の痛みや下腹部の痛み、不正出血などで済むケースがあります。
コンドームを着用することで感染リスクの低減が期待できます。

淋病

淋病は、淋菌に感染する場所と粘膜が接触することで感染する性病です。
コンドームを着用すると、予防効果が期待できるとされています。

淋病に感染した場合、男性では尿道から膿が出たり、排尿痛が起こったりします。
また、放置すると、前立腺炎や精巣上体炎を発症する可能性もあるでしょう。
最悪の場合、無精子状態になり、妊活などにも影響が出るケースがあります。
一方で、女性の場合は無症状で済むケースが多く、症状が出てもおりものが増える程度です。
しかし、放置すると、卵管炎や子宮内膜炎などを発症する可能性があります。
近年ではオーラルセックスでも喉に淋病が感染するケースがあるため、しっかりコンドームを着用しておきましょう。

コンドームを正しく使うポイントとは

コンドームを着用・使用する際は、以下のポイントに注意して活用してください。

  • 挿入前から着用しておく
  • 重ねづけはしない
  • 使用期限を確認しておく(期限切れのものは使用しない)
  • 常温で保存をしておく
  • 潤滑油を使用する場合は水性のものを活用する
  • 陰茎のサイズに合ったものを使用する
  • 爪は短めにしておく
  • 装着時は空気を抜いて根本までしっかり被せる
  • 射精後はすぐにコンドームを外す

コンドームでも感染のリスクは軽減できますが、コンドーム以外の方法もリスクを下げます

コンドーム以外におすすめする性病感染対策としては、性病の定期検査です。
とくに不特定多数の方と性行為をした方は定期検査を受けることをおすすめします。

検査では、性病感染の有無や健康状態を把握することが可能です。
自分だけでなく大事なパートナーを守ることにもつながるため、積極的に定期検査を受診しておきましょう。

少しでも違和感を感じたら、一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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