クラミジア

クラミジアは性的接触で感染する?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

クラミジアと聞いて、性行為だけが感染の原因になるとイメージする人は多いのではないでしょうか。
実際は、咽頭クラミジアの場合、性行為だけでなくキスやオーラルセックスなどが原因となって起こるケースがあります。

咽頭クラミジアを発症すると、症状が出ないまま悪化し、場合によっては中耳炎や咽頭炎などの疾患を引き起こすおそれがあります。
また、気づかないうちに大事なパートナーを感染させてしまい、健康状態を悪化させてしまうケースもあるでしょう。

大事なパートナー、そして自分を守るためにも咽頭クラミジアについて知識を深め、適切な予防法を実践していきましょう。
もし感染した場合は、早期治療のために適切な処置を受けてください。

咽頭クラミジアとは

咽頭クラミジアとは、クラミジア・トラコマティスと呼ばれる細菌が咽頭に感染することで生じる感染症です。

クラミジア・トラコマティスは、おもに性的接触によって感染します。
目に見える大きさではなく、細菌内部でのみ増殖するウイルスのような特徴を持ちます。

症状が出ないことがあるため、感染者自身が感染していることに気づかないまま、感染者を増やしてしまうケースが起こりうるでしょう。

咽頭クラミジアの症状

咽頭クラミジアは感染していても、症状が出ない場合があります。
一方で、症状が出る場合は、以下のようなことが起こるでしょう。

  • 風を引いたような鼻詰まりがある
  • 耳になにかが詰まったように聞こえが悪くなる
  • 咽頭が腫れ上がり、イガイガした痛みや違和感がある

感染経路は、おもに2つです。
1つ目は、オーラルセックスです。
性器にクラミジアが感染している相手とオーラルセックスすることで、咽頭の粘膜から感染が起こります。
オーラルセックスの場合、コンドームを着用することが少ないと考えられます。
また、性病が咽頭へ感染することに関して認知度が低いため、油断した結果発症するケースもあるでしょう。

2つ目はキスによる感染です。
とくにディープキスの場合、性病に感染した相手の口の粘膜と接触する可能性があるため、感染するおそれがあります。

クラミジアを含めた性病は性行為だけでなく、それ以外の行為によって感染する可能性があることを忘れてはいけません。

クラミジア検査のポイントを解説

咽頭にクラミジアが感染しているかを検査する場合、通常検査と即日検査の2種類に分かれます。

通常検査

通常検査の場合、うがい液を採取してPCR検査することで、2〜7日程度で結果が判定できます。

即日検査

即日検査の場合、うがい液や咽頭の擦過物を採取し、抗原抗体検査をおこなうことで15〜30分程度で結果がわかるのが特徴です。

以下のような機会がある人は、咽頭クラミジアの検査を受けることをおすすめします。

  • 風俗店などに勤務し、仕事上オーラルセックスの機会がある人
  • パートナーとのディープキスを含めた口からの感染機械があった人
  • クラミジアとは別の性病に感染している人
  • 性器にクラミジアの感染がある人

咽頭クラミジアの治療法・予防法

咽頭クラミジアは、自然治癒することがありません。
感染して症状が出た後、時間の経過によって症状が和らいだとしても、油断は禁物です。

放置して症状が悪化すると、中耳炎や咽頭炎などの疾患を引き起こすリスクがあります。
また、知らない間に大事なパートナーを感染させてしまうケースもあるでしょう。
取り返しのつかない事態になる前に治療を進めなければなりません。

治療する際は抗生剤を服用しましょう
咽頭クラミジアは、パートナーが感染源になっているケースがあります。
そのため、自身の感染が発覚した段階でパートナーに情報共有し、性病検査を受けてもらうことが大切です。
万が一、パートナーも咽頭クラミジアに感染した場合は、一緒に治療していきましょう。

咽頭クラミジアを予防するためには、コンドームの使用が効果的です。
コンドームを使用すると、相手の粘膜と直接接触しなくて済むため、感染防止につながります。また、不特定多数の人と性行為をしないことが大切です。

クラミジアは、感染力の強い感染症です。
自分だけ感染予防できていても、関係する周りの人が感染してしまうと、自身への感染のリスクが生じます。
大切なのは、正しい知識を深め、自分だけでなく周りの人に対しても感染予防を呼びかけることです。そして、確実に予防効果のある方法を実践してもらうことです。
周りの人を助けることが、自分を守ることにもつながります。

性病感染を防ぐためには、定期的な検査を受けることが大切です。
とくに仕事の関係で不特定多数の人と性行為を繰り返すケースがある人は、性病検査を定期的に受けましょう。

「自分に限って性病は感染しない」と思っても、感染してしまうケースはあります。
油断せず、自己管理をするため、そして周りの人を守るためにも性病検査を継続することは大切です。

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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