性病の知識

クラミジアの症状とは?検査方法や予防方法とは

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

クラミジアは性感染症の中でも感染者が多く、放置すると重症化するリスクのある疾患です。
しかし、クラミジアがどのような感染症で、感染原因や治療法がわからない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、クラミジアの症状・原因・検査方法・治療法・予防法について解説します。
クラミジアについて理解を深め、感染対策を徹底しましょう。

クラミジアとは

クラミジアとは、日本国内で感染者が多い疾患であり、クラミジア感染症と呼ばれています。
クラミジア・トラコマチスと呼ばれる病原体が、性行為などによって粘膜に感染することで発症します。
感染部位は、男性の場合だと肛門や尿道、女性の場合は膣などです。
男女共通する部位としては、喉が挙げられます。
近年の患者数の推移をみると、男性の患者さんの数が女性の患者さんを上回ってきました。
おもに20代の若い世代の男女が感染する傾向にあります。

クラミジアの症状

クラミジアの症状は自覚症状がないケースが多く、5人に4人は症状が出ないとされる報告があります。潜伏期間は7〜21日間前後です。
症状が出る場合、男性のケースでは、尿道に炎症が起きて排尿痛が起こるおそれがあります。
また、痛みやかゆみに加え、サラサラした尿道分泌液が出るケースもあるでしょう。
その場合、下着にしみが浮き出てくる場合もあります。

症状が進行すると、男性不妊につながるケースもあるため、注意が必要です。
女性の場合は、症状があまり出にくいものの、進行すると卵管炎や骨盤腹膜炎、子宮内膜症や子宮頸管炎などが起こる場合があります。
また、妊婦がクラミジアに感染した場合、早産や流産、子宮外妊娠などのおそれがあります。
男女ともに重篤化する前に、少しでも異変を感じたら医療機関を受診してください。

検査方法・検査できる時期

クラミジアの検査は、抗体検査(血液)と抗原検査(うがい液・肛門分泌液・腟分泌液・尿)の2種類に分けられます。
抗体検査の場合は、血液を採取し、精密な検査が可能です。
感染から4週間後に検査ができます。

抗原検査の場合は、性器・肛門・喉を検査します。
うがい液・肛門分泌液・腟分泌液・尿を採取し、即日簡易(迅速)検査・精密検査・即日精密検査・迅速即日精密検査が可能です。

感染機会から24時間以上経過しておけば検査できます。

抗体検査の場合、妊娠中の女性が検査する場合、母子ともに安全性が維持できます。
陰部に綿棒を挿入する方法は胎児にとって危険になる可能性があるためです。

一方で、抗体の有無を検査する方法であるため、現在感染しているかどうかを判断することはできません。
また、治療が終えている状態で検査する場合、治癒していても持続的に抗体が陽性となるため、治療できたか否かを確認することには不向きです。

抗原検査は、以下の4種類に分かれます。

即日簡易(迅速)検査/簡易検査キット(イムノクロマトグラフィー法)

男性の場合は性器に膿などが起きている方向けの検査であり、女性の場合は性器からいつもと違う臭いやおりものが出ている方に向いています。

結果は30分後に出ます。
測定時間が短いものの、精密検査に比べて精度が劣る点がデメリットです。

精密検査(SDA法・PCR法)

症状がなくても検査できる方法です。
通常は検査会社に委託して実施することが多く、検査してから2〜7日後に結果がわかります。

即日精密検査(TMA法)

症状がなくても検査できる方法です。
その日の午前中に検査ができれば、当日の夕方以降に結果がわかります。
その日の午後に検査した場合は、翌日の昼に結果がわかるでしょう。

PCR法は二重螺旋構造のDNAを熱で分解し、分解された箇所に酵素がくっついてDNAを増幅していく方法です。
一方で、TMA法はDNAの遺伝子ではなくrRNAの遺伝子をターゲットにするものです。
rRNAに酵素がくっつき、DNAの合成と分解を繰り返してRNAを増幅させていく流れになります。

迅速即日精密検査(TRC法)

即日精密検査(TMA法)より早く結果がわかる検査方法です。
最短2時間で判定ができます。

TRC法は、定温度で核酸(RNA)を増幅する転写-逆転写の協奏的反応と、増幅された核酸を結合する手法です。
蛍光を発するプローブを使用し、反応をみます。

従来の方法に比べ、一定の温度で転写-逆転写反応が連続的に進行するため標的核酸の迅速な増幅が可能です。
TMA法と同じくRNAを標的としているため、高感度な検出が実現できます。

クラミジアの治療法・予防法

クラミジアを治療する場合は、抗生剤を服用する必要があります。
テトラサイクリン系・マクロライド系・ニューキノロン系の抗生物質を使用します。
服用期間は薬の種類によって異なるものの、1週間程度で治療が終了するケースがほとんどです。
予防方法は、コンドームを使用することです。
クラミジアは性行為によって、目・喉・膣・尿道・肛門などから感染します。
放置すると重症化し、さまざまな疾患を引き起こすため、感染予防を徹底しましょう。

少しでも違和感を感じたら、一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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