無症状でも感染する?気づかないうちに広がる性感染症のリスク

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「コンドームを使わずに性行為をしたけど、特に症状がないから大丈夫」
そう思って安心していませんか?

性感染症(性病)は、感染しても必ず症状が出るわけではありません
無症状のまま体内に潜み、気づかないうちに進行してしまうケースもあります。

本記事では、気づかないうちに感染する代表的な性感染症、放置によるリスク、感染経路、そしてパートナーへの対応について解説します。

無症状で感染?気づかないうちに広がる性感染症

性感染症は、自覚症状がないまま進行することが少なくありません。

  • 自分もパートナーも気づかず感染しているケースがある
  • 性病検査で「陰性」だった後でも、潜伏期間中なら実は感染していることも
  • 症状が出たときにはすでに重症化していることもある

自分には関係ない」と思っていても、知らないうちに感染していることがあるのです。

気づかないうちに感染する代表的な性病

  • クラミジア感染症
    日本で最も多い性病。無症状が多く、男女とも不妊の原因に
    男性:排尿痛、膿
    女性:おりもの増加、不正出血
  • トリコモナス症
    女性に強く症状が出やすい。再感染しやすい
    男性:排尿痛
    女性:おりものの異臭、ただれ
  • 性器ヘルペス
    一度感染すると体内に潜伏し再発を繰り返す
    赤い水ぶくれ、潰瘍、排尿痛
  • 梅毒
    症状が一時的に消えても進行。放置すると全身に影響
    初期:無痛性の潰瘍
    進行:発疹、臓器障害
  • 淋病
    クラミジアに次いで多い。耐性菌も問題に
    男性:激しい排尿痛、膿
    女性:おりもの増加
  • マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症
    4種類の菌が原因。近年注目されている
    男性:排尿痛、膿
    女性:おりもの異常、かゆみ

性感染症は自然治癒しない!放置によるリスク

「症状が治まったから治った」と思うのは大きな誤解です。
性感染症は自然に治ることはありません。
放置によるリスクは以下の通りです。

  • パートナーへの感染
    自覚症状がなくても病原体は残り、知らない間にうつすことがある
  • 不妊症
    男性は無精子症や精巣上体炎、女性は卵管性不妊や子宮外妊娠の原因に
  • HIV/エイズの発症
    治療せず進行すると免疫不全を引き起こす
  • 母子感染
    梅毒・クラミジア・HIVなどは妊娠・出産を通じて赤ちゃんに感染し、先天性障害を残すことがある
  • 重篤な合併症
    男性は前立腺炎・精巣炎、女性は骨盤内炎症性疾患(PID)などへ進行

性感染症の主な感染経路

  • 膣性交:最も多い感染経路
  • 口腔性交(フェラチオ・クンニリングス):口腔内から感染
  • 肛門性交:直腸粘膜は傷つきやすく感染リスク大
  • キス:ヘルペスや咽頭クラミジア・淋病はディープキスで感染することも
  • 血液を介する接触:HIVやB型肝炎などは血液を通じて感染

コンドームを正しく使うことで多くの性感染症を予防できます。

パートナーに隠しても大丈夫?

性感染症に感染した場合、必ずパートナーに伝えることが重要です。

  • 自分が感染していれば、相手も感染している可能性が高い
  • ピンポン感染(お互いにうつし合う)を防ぐためにも二人で検査・治療が必要
  • 早期に治療を受ければ健康被害を最小限にできる

秘密にすることは相手を危険にさらすことにつながります。

まとめ

  • 性感染症は「気づかないうちに感染」していることが多い
  • 無症状でも進行し、不妊症や母子感染など深刻な健康被害をもたらす
  • クラミジア梅毒淋病ヘルペスなどは代表的な「気づかないうちに感染する性病」
  • 自然治癒はなく、放置は危険
  • 感染予防にはコンドームの使用と定期的な性病検査が不可欠
  • 感染が判明したらパートナーと一緒に治療することが大切

性感染症は「症状がないから大丈夫」ではありません。
不安を感じたら早めに検査を受け、自分と大切な人を守りましょう。

参考文献

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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