性病は完治する?再発しやすい性感染症の特徴と防止策を知ろう

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「性病は一度治療すれば完全に治るの?」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

実際、性感染症(性病)の多くは抗生物質や抗真菌薬などの適切な治療で完治します。しかし中には、完治が難しく再発を繰り返す性感染症も存在します。また、完治可能な病気でも再感染のリスクは避けられません。

本記事では、代表的な性感染症ごとの特徴と再発リスク、そして再発防止のためにできる予防法について解説します。

性感染症とは?

性感染症(STD/STI)は、性行為を介して感染する病気の総称です。
原因は細菌・ウイルス・真菌(カビ)・原虫などで、性器や泌尿器、肛門、口腔など粘膜を中心に感染します。

  • 全員が症状を出すわけではない
  • 無症状でも感染を広げる可能性がある
  • 放置すると不妊全身合併症、さらには命に関わることも

「症状がないから大丈夫」と思っていても油断は禁物です。

性病は再発するのか?

性感染症には大きく分けて以下の2種類があります。

  1. 治療により完治できるが再発・再感染リスクがあるもの
  2. 完治が難しく、再発を繰り返すもの

国内で感染が見られる性感染症と感染リスクは以下のとおりです。

❶完治は可能だが再発リスクのある性感染症

  • クラミジア感染症
    日本で最も感染者が多い性感染症
    – 性交・オーラル・アナルセックスで感染
    男性:精巣上体炎、排尿困難、発熱
    女性:骨盤内炎症、下腹部痛、不妊や子宮外妊娠のリスク
    治療:抗生物質で完治可能。ただし再感染が多く注意が必要
  • 淋病(淋菌感染症)
    強い排尿痛や膿性分泌物が特徴
    女性はおりもの増加や排尿痛、不妊の原因
    抗生物質で治療できるが耐性菌の問題もあり、再感染・再発しやすい
  • マイコプラズマ感染症
    尿道炎やおりもの異常を引き起こす
    複数の菌種が原因となり、再発例も多い
    抗菌薬で治療可能だが薬剤耐性が報告されている
  • 梅毒
    感染後3週間前後でしこり(硬性下疳)が出現
    その後自然に消えることがあるが、体内で進行し全身に症状を及ぼす
    ペニシリン系抗生物質で治療可能。ただし再感染リスクあり
  • カンジダ症
    腟内常在菌のカンジダが増殖して発症
    – 女性に多く、かゆみや白い酒かす状のおりものが特徴
    抗真菌薬で改善するが、免疫低下やストレスで繰り返すことが多い

❷完治が難しく再発しやすい性感染症

  • HIV感染症(エイズ)
    HIVに感染すると免疫が低下し、放置することでエイズを発症
    治療でウイルス量を抑え発症を防ぐことは可能だが、完全に排除はできない
    生涯にわたり治療薬を継続する必要がある
  • 性器ヘルペス
    単純ヘルペスウイルスが原因
    感染後は体内に潜伏し、免疫力低下やストレスで再発
    抗ウイルス薬で症状を抑えられるが、完全治癒はできない

性感染症を防ぐためにできること

性感染症の再発・再感染を防ぐには日常生活の工夫が欠かせません。

  • コンドームを正しく使用する
    → 膣性交だけでなく口腔性交・肛門性交でも必須
  • 不特定多数との性行為を避ける
  • パートナーと一緒に検査・治療を受ける
    → ピンポン感染(互いにうつし合う)を防ぐ
  • 定期的な性病検査
    → 無症状感染を早期発見
  • 生活習慣を整える
    → 睡眠・栄養・ストレス管理で免疫力を維持

まとめ

  • 性病の多くは治療で完治可能だが、再発・再感染のリスクがある
  • HIV性器ヘルペスは完治が難しく、一生付き合う必要がある
  • 再発防止には確実な治療・コンドーム使用・定期検査・生活習慣の改善が重要

性感染症は特別な病気ではなく、誰にでも起こり得るものです。
「治ったから安心」ではなく、再発予防を意識した行動が自分と大切な人の健康を守る第一歩となります。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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