2024.08.06

性病にかかったかも？と少しでも思ったら思ったら検査を受けよう

赤松　敬之（あかまつたかゆき）

「性病にかかったかも？」
このように感じても「自分に限って性病にかかることはないだろう」と考え直し、検査を受けない人が一定数います。
しかし、性病は自覚症状が出ないだけで体内に潜伏するケースがあります。
このような場合、知らず知らずのうちに症状を悪化させ、気づいたときには重大な健康被害が出ているケースがあります。

本記事では性病の種類や検査について解説します。
もし性病にかかった場合は、適切な治療を受け、少しでも早く改善を図りましょう。

性病とは
性感染症の種類
パートナーがいる人はパートナーと一緒に検査をしよう
性病検査は郵送で手軽にできる性病検査キットがおすすめ

性病とは

性病とは、性行為によって相手の皮膚または粘膜と接触し、感染する疾患です。
性病によっては自覚症状が出ない場合があり、発見するのが難しいケースがあります。

性感染症の種類

性感染症には、おもに以下の種類があります。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスを病原体とする性病です。
近年、若年者を中心に感染者が増加しています。

感染すると、おりものの異常やかゆみ、性交時の痛みなどが起こりますが、ほとんどの場合は無症状です。
症状が進行すると、子宮外妊娠や不妊症の原因になり、肝周囲炎を起こして上腹部痛が起こる場合があります。
また妊婦がクラミジア感染症になると、子宮内感染を起こして早産や流産の原因になります。
治療するためには、抗生物質の内服が必要です。

淋菌

淋菌にかかると、男性の場合は尿道炎を起こし、排尿痛や尿道口から膿が出ます。
女性の場合は、尿道炎や子宮頸管炎が起こる場合があります。
また、下腹部の痛みや発熱が起こったり、子宮外妊娠になったりするでしょう。
日本ではクラミジアに次いで感染者数が多いとされています。
治療する場合は、抗生剤の点滴がおもな方法になります。

性器ヘルペス

性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス1型・2型を病原体とする性病です。
感染すると、外陰部に痛みをともなう水疱や潰瘍ができます。

症状が進行すると、排尿困難や歩行困難になり、入院しなければならなくなる場合があるでしょう。
近年ではオーラルセックスによって口唇や口腔内にもヘルペスが感染するケースがあります。
治療する際は、抗ウイルス薬の内服や軟膏が一般的であり、重症化する場合は点滴が必要になります。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルスを病原体とする性病です。
性器や肛門の周りにカリフラワー状やトサカ状のイボが複数できます。

妊娠している女性が尖圭コンジローマに感染すると産道感染してしまう可能性があります。
また、喉にイボができる再発性呼吸器乳頭症（RRP）を発症する場合もあるでしょう。
この場合、声が枯れたり、呼吸困難になったりして命に関わるケースもあります。

治療するためには、クリームなどの外用薬や電気焼灼法、レーザー蒸散術などがあります。

ヒトパピローマウイルス（HPV）

ヒトパピローマウイルスとは、誰もが感染するリスクのあるもので、人の皮膚や粘膜にいるごくありふれたウイルスです。
性交渉時に、子宮頸部の粘膜にわずかな傷が生じ、そこからウイルスが侵入して感染すると考えられています。
感染してもほとんどの場合は一過性であり、ウイルスは自然に排除されるケースが多いでしょう。
一方で、ウイルスが排除されずに長期間感染が続くと、子宮頸部の細胞が次第に異常な形態を示すようになります。
場合によっては数年から数十年かけてがん化し、命に関わる事態に発展する場合があります。

トリコモナス症

トリコモナスは、原虫トリコモナスバジナリスによって引き起こされる炎症性疾患です。
性行為以外にも内診・検診台・便器・衣類などから感染するおそれがあります。
男性の場合は無症状のままの場合が多いですが、女性の場合はおりものの増加や外陰部のかゆみなどが起こる場合があります。
治療する際は、飲み薬や腟錠を処方される場合が多いでしょう。

パートナーがいる人はパートナーと一緒に検査をしよう

性病検査をおこない、陰性判定が出ても油断はできません。
単に自覚症状が出ていないだけで、実は感染しているケースがあるからです。

また、パートナーにも性病が感染しているリスクもあるため、安易に考えてはいけません。
可能であれば、パートナーにも性病検査を受けてもらうようにしましょう。
性病は放置すると、症状が悪化し、最悪の場合は重大な健康被害を引き起こす原因になります。大事なパートナーを守るためにも、性病検査を受けるように勧めましょう。