おりものの異変に気づいたら。性の健康を守るためのポイント
性感染症は誰にでも関係する病気|日常生活でできる予防ポイント

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
「自分には性病は関係ない」と思っていませんか?
実際には、性感染症(性病)は誰にでも感染するリスクがあり、知らないうちに症状が進行してしまうこともあります。
本記事では、性感染症の基本知識、日常生活での予防習慣、コンドームの正しい使い方、初期症状のサイン、検査の重要性について解説します。
目次
性感染症の基本と感染経路
性感染症は性交渉によって精液や腟分泌液に含まれる病原体が皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染します。
感染経路は膣性交だけでなく、下記のように多岐にわたります。
- 口腔性交(オーラルセックス)
- 肛門性交(アナルセックス)
- 血液を介した接触(輸血、注射針の共用)
- 出産時の産道感染や母乳感染
「特別な行為をしないから安心」ではなく、一般的な性行為や日常の接触でも感染リスクは存在します。
日常生活でできる性感染症予防
性感染症予防は難しいことではなく、日常生活の習慣から始められます。
- タオル・歯ブラシ・カミソリを共有しない
- 性行為前にシャワーを浴びて体を清潔に保つ
- 抗菌性のある洗浄剤で性器周囲を優しく洗う
- HPVワクチン・B型肝炎ワクチンなど予防接種を受ける
- 性行為時に必ずコンドームを使用する
ちょっとした心がけで、感染のリスクを大幅に下げられます。
コンドームで予防!正しい使い方

コンドームは性感染症予防の基本です。ただし、正しい使い方をしないと効果が下がります。
使用手順
- 使用期限とサイズを確認
- 包装を端から破り、中身を爪で傷つけないように取り出す
- 裏表を確認し、精液だまりをつまんで空気を抜く
- 根元までしっかり装着
- 射精後はすぐに押さえて抜き、精液が漏れないよう端を結んで廃棄
保管と注意点
- 高温・直射日光を避ける
- 財布やポケットに入れっぱなしにしない
- クリームやオイルは使用しない(素材が劣化するため)
- 爪を短くして装着する
初期症状を見逃さない!性感染症のサイン

性感染症は無症状のこともありますが、以下のサインが出たら注意が必要です。
「ただの風邪かな」と思っても、性感染症が隠れている場合があります。
性器に出る症状
性病の種類 | 症状 |
---|---|
性器クラミジア | 男性:尿道のかゆみ、排尿時の痛み 女性:不正出血、おりもの |
性器ヘルペス | かゆみ、痛み、水疱、不快感、びらん |
淋菌感染症 | 男性:排尿時の痛み、膿尿 女性:不正出血、おりもの |
梅毒 | ただれ、しこり |
尖圭コンジローマ | 肛門や性器にカリフラワー状のイボ・できもの |
トリコモナス | 男性:排尿時の痛み、頻尿、無症状が多い 女性:臭い、かゆみ、おりもの増加 |
カンジダ | 男性:かゆみ、水疱 女性:発疹、外陰部のかゆみ、おりもの増加、性交痛 |
口の中に出る症状
その他の症状
性病の種類 | 症状 |
---|---|
性器ヘルペス | リンパ節の腫れ、発熱 |
梅毒 | 視力低下、リンパ節の腫れ、認知症、心臓・血管の病気、神経麻痺 |
B型肝炎 | 慢性肝炎、急性肝炎 |
A型肝炎 | 黄疸、だるさ、発熱、嘔吐、吐き気 |
HIV感染症 | 咽頭痛、発熱、筋肉痛 |
アメーバ赤痢 | 腸炎、肝膿瘍 |
恥ずかしがらずに検査を受けることが大切

「恥ずかしいから検査に行きたくない」と思って放置するのは危険です。
- 性感染症は自然治癒しない
- 進行すると不妊症・母子感染・命に関わる合併症につながる
- 無症状でも定期的な検査が必要
保健所の匿名検査、郵送検査キット、医療機関での検査など選択肢は豊富です。
パートナーと一緒に検査を受けることが、安心と予防につながります。
まとめ
- 性感染症は誰にでも感染するリスクがある
- 日常生活の予防(タオルやカミソリを共有しない、ワクチン接種、コンドーム使用)が重要
- コンドームは正しく使用し、保存方法にも注意する
- 初期症状を見逃さず、少しでも異変があれば検査を受ける
- 恥ずかしがらず、パートナーと一緒に検査・予防を心がける
性感染症は「特別な病気」ではなく、誰にでも起こり得る身近なものです。
日常の予防と定期的な検査で、自分と大切な人の健康を守りましょう。
参考文献
- 広報誌「厚生労働」2023年8月号 特集 厚生労働省
- 感染予防方法 コンドームを 大阪市
- これって、性感染症? HIV検査・相談マップ
- 性病検査を受ける方法や病院で検査を受けるのが恥ずかしい人の対策 GME医学検査研究所

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