妊娠を望む人に大切な性感染症対策|将来のために今できる予防法

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「自分は今、性感染症とは無縁」と思っていませんか?
実は性感染症(性病)は、将来の妊娠・出産に大きな影響を及ぼす可能性があります。

妊娠を希望する年齢になってから気づいたときには、不妊や流産など深刻なリスクを抱えてしまうことも。
本記事では、性感染症が妊娠や出産に与える影響、日常でできる予防策、そして将来の健康管理につながる「プレコンセプションケア」について解説します。

性感染症とは?将来の妊娠に与える影響

性感染症は、細菌やウイルス、原虫などが性行為を通じて感染する病気です。
性器や泌尿器だけでなく、肛門や口腔にも広がる可能性があります。

  • 卵管周囲の癒着や閉塞不妊症の原因に
  • 妊娠初期の感染流産早産リスクの増加
  • 出産時の母子感染 → 新生児に肺炎結膜炎先天性疾患が起こることも

特にクラミジア梅毒淋病は近年増加傾向にあり、妊娠可能年齢の女性にとって注意が必要です。

感染のリスクを減らす!今からできる予防策

性感染症は日常生活の工夫で予防可能な部分があります。
基本的な生活習慣が、将来の妊娠・出産を守る第一歩になります。

感染予防策概要
性行為の前後にシャワー性器や皮膚に付着した菌を洗い流し、感染リスクを軽減
排便後の清潔保持肛門付近を清潔にし、便由来のウイルス感染を防ぐ
相手の性器を確認イボ・膿・悪臭がある場合は性行為を避ける
爪を短く整える粘膜を傷つけないようにする
体調不良・生理中は性行為を控える抵抗力が落ちると感染しやすくなる
屋外での性行為を避ける公園・車内・砂浜など不衛生な環境は高リスク
寝具を清潔に保つ毛じらみなどの感染を防ぐ

気づきにくい性感染症のサイン

性感染症は無症状のまま進行することがありますが、以下のサインが見られたら要注意です。

こうした症状が出たら放置せず、すぐに検査を受けましょう。

妊娠前に取り入れたい「プレコンセプションケア」

プレコンセプションケアとは、将来の妊娠・出産を見据えて若いうちから生活習慣や健康を整える取り組みのことです。

  • 適度な運動:週150分程度の有酸素運動で血流・代謝を改善
  • 適正体重の維持:BMIを18.5〜24.9に保つ(理想は22)
  • バランスの良い食事:主食・主菜・副菜・乳製品・果物を組み合わせて摂取

若いうちから健康に向き合うことで、不妊や妊娠合併症の予防につながります。

パートナーと一緒にできる性感染症予防

性感染症の予防には、パートナーとのコミュニケーションが不可欠です。

  • 性行為前にお互いの健康状態を確認する
  • 性感染症や検査について知識を共有する
  • 定期的に二人で検査を受ける
  • 必要に応じてHPVワクチンなどの予防接種を検討する

「二人で取り組む」ことが、信頼関係と健康を守る大切な方法です。

まとめ

  • 性感染症は将来の妊娠・出産に影響し、不妊や流産、新生児への母子感染を引き起こす可能性がある
  • 予防には、清潔習慣・体調管理・コンドーム使用・ワクチン接種が重要
  • 無症状でも感染していることがあるため、定期的な検査が安心につながる
  • プレコンセプションケアを意識して、若いうちから健康管理を始めよう
  • パートナーと一緒に性感染症について話し合い、予防行動を共有することが大切

性感染症は「今は無縁」と思っていても、将来の妊娠や出産に直結する大切な問題です。
自分とパートナーの未来を守るために、今からできる予防を始めましょう。

参考文献

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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