梅毒

梅毒って治るの?なったことがあるってバレる?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

梅毒に感染した方のなかには、「完治できるの?」と疑問に思う方がいるのではないでしょうか。
また、感染することで周りにバレないか不安に思う方もいるでしょう。
本記事では、梅毒の治療方法や症状などを解説します。
梅毒感染者は、病気を正しく理解し、適切な治療を受けましょう。

梅毒は早期治療により治ります

梅毒は、医療機関で適切な治療を受けることで完治できます。
一般的には、ペニシリン系の抗生物質を2〜12週間服用することで、治療につなげることが可能です。
一方で検査や治療が遅れたり、治療することを放棄したりすると、梅毒の症状が悪化する可能性があります。
また、場合によっては日常生活に大きな支障が起こるリスクもあるため、早期発見・早期治療を心がけることが求められます。

梅毒の治療について

梅毒の治療をする際に知っておくべきなのが「耐性化」です。
耐性化とは、性感染症の原因となる細菌が耐性を持つことです。

薬を投与した当初は効いていたとしても、細菌が耐性を持ち始めると、次第に効果が期待できなくなります。
たとえば細菌のなかには、ペニシリンを分解するタンパク質を生成できるようになり、結果としてペニシリンが効かなくなる種類が存在します。
一方で、梅毒の場合はペニシリン系抗菌薬に耐性化していないため、治療することが可能です。

梅毒は必ず治癒検査(治ったかどうかの確認の検査)を受けてください

梅毒検査を受けたあと、陽性と診断された場合はRPR検査(RPR抗体定量検査)における数値を見て薬が処方されます。
処方された薬をすべて内服し終えたあとは、1〜2ヶ月経過してから再度採血(RPR)検査を受ける必要があります。
ただし、その時点ではまだ治癒したかどうかは判断できません。

薬を内服し始めてから治癒するまでに、原則として6ヶ月は医療機関のフォローを受ける必要があります。
6ヶ月の間、性行為がない状態で1〜2ヶ月に1回の頻度で採血を受け、RPRの数値を確認し、治癒判定を受けます。

数値の下がり方には個人差があり、人によっては6ヶ月もかからないうちに治癒できることもあるでしょう。
いずれにしても、完治するまでの間は医療機関で十分なフォローをしてもらう必要があります。

梅毒の感染経路や症状など

梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染することで発症します。
皮膚や粘膜から体内に侵入し、数時間経過するとリンパ節にまで達し、血液を巡って全身に広がっていくのが特徴です。

全身に細菌が回ると少しずつ症状が現れるようになり、最悪の場合、命に関わることもあります。
梅毒に感染する経路の多くは、腟性交肛門性交オーラルセックスなどが挙げられます。

母体が梅毒に感染すると、胎児にも感染する可能性が高くなり、早産や死産、奇形といったリスクをともなうこともあるでしょう。

梅毒の症状は以下の4期に分かれます。
自身に当てはまるものがないか確認しておきましょう。

第1期

梅毒に感染してから3週間程度の潜伏期間を経て症状が現れるようになり、最初の症状が起こるのが第1期です。
この時期では、梅毒トレポネーマが侵入した箇所に初期硬結と呼ばれる小さなしこりが現れます。
見た目としては、赤く腫れたようになり、コリコリと硬い状態になっているのが特徴です。
ほとんどは痛みがなく、数週間経過すると自然に消滅していくため、症状に気づかないケースがあります。

第2期

梅毒に感染してから3ヶ月程度で症状が現れる時期が第2期です。
バラ疹と呼ばれるピンク色の発疹が手のひらや足の裏、顔といった全身に出るようになります。
この症状が起こるとき、梅毒トレポネーマの感染が全身に広がっている可能性が高いでしょう。
発疹自体にはかゆみや痛みなどはなく、数週間で症状が消滅するものの、体内には梅毒トレポネーマが潜伏した状態になります。

第3期

梅毒に感染してから3年程度経過すると、第3期に入ります。
第3期になると、ゴム腫と呼ばれる腫瘍が皮膚だけでなく、筋肉や骨、内臓にまで広がるのが特徴です。

第4期

梅毒に感染してから10年以上経過すると、末期症状が現れる第4期になります。
梅毒トレポネーマに全身の神経や臓器が侵され、脳梗塞や神経障害、心不全といった命に関わる状態に陥ることがあります。

梅毒は治癒しても感染歴はわかる(検査結果の見方の提示とともに)

梅毒の抗体検査の種類は、以下の2つです。

  • TP:過去に梅毒に感染した経験があるかがわかる
  • RPR:梅毒の現在の活動性がわかる

抗体検査では、過去の感染歴がわかるため、梅毒に感染したことがバレます。
しかし、外部に情報が流出することはありません。

梅毒に感染しても必ず症状が現れるとは限りません。
しかし、放置すればするほど症状が悪化し、気がついたときには治療が困難になるケースもあります。

梅毒に感染したことが判明した場合は、医師のアドバイスのもと、適切な治療を続けましょう。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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