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性病は完治しない?各性病の特徴を知り、再発防止に備えよう

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性病はほとんどの場合、適切な治療を受けることで完治しますが、なかには完治できない性病もあります。

また、完治したとしても、再発するリスクを引き起こすこともあります。
性感染症の再発リスクを防ぐためには、確実に治療することが重要です。

本記事では、各性病の特徴や再発リスク、予防方法について解説します。

性感染症とは

性感染症とは、性行為がきっかけとなり感染する疾患です。
性感染症に関する原虫やウイルス、細菌などが性器や泌尿器、肛門や口腔などに接触することで感染する可能性があります。

性感染症は感染者全員に症状が出るものではなく、人によっては軽症で済む場合もあります。
一方で、感染した状態を放置すると症状が悪化し、最悪の場合、死に至るケースもあるでしょう。

性病は再発する?

性病は、完全に治癒できるものもありますが、いずれも再発するリスクがあります。
国内で感染が見られる性感染症と感染リスクは以下のとおりです。

性感染症の種類再発リスク
クラミジア完全治癒可能であるものの、再発リスクあり
淋病完全治癒可能であるものの、再発リスクあり
マイコプラズマ完全治癒可能であるものの、再発リスクあり
梅毒完全治癒可能であるものの、再発リスクあり
カンジダ完全治癒可能であるものの、再発リスクあり
HIV・エイズ完治できない。再発リスクは高い
性器ヘルペス完治できない。再発リスクは高い

性感染症のほとんどは、抗生物質などの投与によって完治できます。
しかし、完治したとしても感染者から再びウイルスが移ると、感染するリスクがあるため、感染防止に努めることが重要です。

また、性感染症には、一度感染すると完治できないものもあります。

完全治癒可能だが、再発リスクがある性感染症

発症しても治癒が可能ではあるものの、再発リスクがある性感染症は以下のとおりです。

クラミジア

クラミジアは、国内で最も感染者が多い性感染症です。

とくに10〜20代の女性の多くが感染しており、性器性交口腔性交肛門性交といった行為で発症する可能性があります。

男性が感染すると、精巣の腫れ精巣上体炎による排尿困難前立腺の肥大化発熱といった症状が見られる場合があります。
女性の場合に起こる症状は、骨盤内炎症性疾患による下腹部の痛みや出血発熱腹痛などです。

淋病

淋病は、国内で感染者数が多いとされる性感染症です。
一度感染し完治しても、再感染するリスクがあります。

男性が感染すると、排尿時の痛みやかゆみ、尿道から膿が出るといった症状が出ます。
女性の場合は、排尿時の痛みやおりものの増加といった症状が出るのが特徴です。

マイコプラズマ

マイコプラズマは、4種類のウイルスによって生じる性感染症です。

男性が感染すると、排尿時の痛みやかゆみ、尿道から膿が出るといった症状が出ます。
女性の場合は、排尿時の痛みに加えて、おりものの臭いが気になるといった症状が出るのが特徴です。

梅毒

梅毒は、近年感染者が増加してきたとされる性感染症です。
感染すると、男女に共通して潰瘍しこりなどができる可能性があります。

放置すると、全身に梅毒トレポネーマが行き渡り、手のひらや足の裏などに赤い発疹ができる可能性があります。
重症化すると、筋肉や骨、皮膚にゴム腫ができたり、進行麻痺になったりすることもあるでしょう。

カンジダ

カンジダは人の体に住み着いている常在菌です。
男性よりも女性の感染者が多く、かゆみや排尿時の痛み、ヨーグルト状のおりものの増加などが起こります。

完治不可、再発リスクの高い性感染症

完治ができず、再発リスクが高いとされる性感染症は、HIV・エイズと性器ヘルペスです。

HIV・エイズ

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染し、進行するとエイズ(後天性免疫不全症候群)になります。
個人差がありますが、2〜15年のうちにエイズに進行するとされています。

感染当初は、インフルエンザのような頭痛や発熱、発疹や喉の痛みなどが見られるのが特徴です。
重症化すると、体重減少リンパ節の腫れ下痢といった症状が起こります。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは感染力が強いウイルスであり、感染経路が多岐に渡るため、感染源の特定が困難な性感染症です。
感染すると、全身の倦怠感発熱リンパ節の腫れ性器の不快感・かゆみなどが起こります。

治療によって症状が和らいだとしても、体の免疫機能が低下すると、再発するリスクが高まります。

性感染症を防ぐためにできること

性感染症を防ぐためには、性行為時にコンドームを使用することが重要です。
また、不特定多数の方と性行為をしないことも求められます。

性感染症に感染し、症状が治まったとしても、場合によっては再発する可能性があります。
再発を繰り返さないためには、確実に治療することが大切です。

性感染症と診断された方は、医師の指示を聞き、放置することなく適切な治療を受けましょう。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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