男性の不妊症と性感染症の関係|クラミジア・HPVが与える影響とは?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「性感染症にかかると不妊になるの?」
この疑問は女性だけでなく、男性にも関係があります。

性感染症(性病)は体調不良や生活への支障だけでなく、放置すると不妊症の原因になることがあります。これまで「不妊=女性の問題」と思われがちでしたが、近年は男性の性感染症と不妊の関連も注目されています。

この記事では、性感染症と不妊の関係、特に男性に影響するクラミジア・マイコプラズマ・ヒトパピローマウイルス(HPV)のリスクについて解説し、検査や予防の重要性をお伝えします。

性感染症と不妊は関係あるのか?

性感染症に感染することで、必ずしも不妊症になることはありません。
しかし、放置すると炎症や臓器障害が進み、不妊症のリスクが高まることがあります。

  • 女性の場合クラミジア感染が卵管閉塞を引き起こし、不妊や子宮外妊娠の原因に。
  • 男性の場合:精管や精巣上体の炎症によって精子の通り道が塞がれたり、精子の質が低下することがある。

性行為の際にはコンドームを使用し、不特定多数との接触を避けることが大切です。

男性も性感染症で不妊になる可能性がある

性病に感染することで不妊症になるのは、女性だけではありません。性病の種類によっては、男性も不妊症になる可能性があります。
とくに以下の性病には注意しましょう。

クラミジア

クラミジアは、クラミジア・トラコマティスを病原体とする性感染症です。

  • 若年層に最も多い性感染症
  • 男性が感染すると精管に炎症を起こし、精巣上体炎 閉塞性無精子症に進行することがある
  • 研究報告では、クラミジア感染で精子の運動率や生殖能力が低下することが確認されている
  • 無精子症患者の45.3%からクラミジア関連のタンパク質やDNAが検出されたという研究結果も

放置せず、抗生物質による治療で早期改善を目指すことが重要です。

マイコプラズマ・ウレアプラズマ

マイコプラズマ・ウレアプラズマも男性不妊症と関連があるとされています。

  • 「マイコプラズマ・ジェニタリウム」「ウレアプラズマ・ウレアリチカム」などが原因菌
  • 海外の研究では、ウレアプラズマ感染と男性不妊との関連性が指摘されている
  • 無症状のまま進行することも多く、検査を受けなければ見逃される可能性あり

ヒトパピローマウイルス(HPV)

  • 女性の子宮頸がんの原因として有名だが、男性不妊にも関与
  • HPV陽性の精液では、精子の運動率が低下するとの報告あり
  • 性交渉経験があれば誰でも感染する可能性があり、ワクチンや検査による対策が推奨される

子どもを望むなら性病検査は必須

性感染症は自覚症状が乏しいまま進行することが多く、知らないうちに不妊の原因になったり、パートナーへ感染を広げてしまうことがあります。

  • 将来的に子どもを望むカップルは定期的な性病検査が不可欠
  • クラミジアマイコプラズマ、HPVのほか、HIVB型肝炎トリコモナスなども精子や生殖機能に影響を与える可能性がある
  • パートナーと一緒に検査を受けることで「ピンポン感染」を防ぎ、安心して妊活に臨める

性感染症の予防と対策

  • 性行為の際は必ずコンドームを使用する
  • 不特定多数との性行為は避ける
  • 体調が悪いときや免疫が落ちているときは性行為を控える
  • HPVワクチンやB型肝炎ワクチンを接種して予防する
  • 少しでも違和感があればすぐに検査・受診する

まとめ

  • 性感染症は女性だけでなく、男性の不妊症にも関係する
  • クラミジアマイコプラズマ、HPVは男性の精子や生殖機能に影響を与えることがある
  • 子どもを望む場合は、定期的な性病検査とパートナーと一緒の受診が大切
  • 予防の基本はコンドームの使用と、早めの受診・検査

性感染症は放置すると将来の妊娠・出産に影響を及ぼします。
「自分は大丈夫」と油断せず、検査と予防で自分と大切な人の未来を守りましょう。

参考文献

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

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監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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