性病の知識

ピンポン感染を防ぐために、性感染症の検査はパートナーと受けよう!

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性感染症は誰にでも感染するリスクのある疾患です。
ときにはピンポン感染し、感染拡大するケースもあります。
本記事では、おもな性感染症の種類や症状、誰でも実践できる予防方法について解説します。
性感染症を放置すると重篤化し、健康被害を受ける場合があるため、日頃から大事なパートナーと共に予防方法を実践しておきましょう。

性感染症とは

性感染症とは、膣性交や口腔性交、肛門性交といった皮膚または粘液の接触を引き起こす行為によって感染する疾患の総称です。
性感染症は男女によって起こりうる症状が異なる場合があります。
一方で、男女で共通する症状もあります。
性感染症は、比較的男性のほうが自覚症状が強いとされており、女性は症状があまり出ないのが特徴です。
男性のほうが病院を受診する機会が多く、女性の場合はあまり診察を受ける機会が少ないとされています。
日頃からおりものがあったり、下腹部に痛みがあったりした場合は、病院を受診しましょう。
性感染症を予防するための効果的な方法は、性行為をしないことです。
また、性行為をする場合は、避妊具としてコンドームを使用することで性感染症の予防につながります。

性感染症の種類

性感染症にはおもに以下の種類があります。
どのような症状が現れるのか、あらかじめ知識として知っておきましょう。

性器クラミジア感染症

性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスを病原体とする性感染症です。
症状が比較的軽く、自覚症状があまり出ないため放置されやすいとされています。
女性の感染者が増加しており、感染が長引くと子宮外妊娠や不妊の原因になります。
性器クラミジア感染症は、若年層の感染者が最も多い性感染症です。
性交後、2〜3週間で透明のおりものの増加がみられる場合があります。
場合によっては、子宮内膜や卵管などに病原体が波及し、骨盤内炎症性疾患を起こすこともあります。
また肝臓周囲にまで炎症が及び、肝周囲炎を引き起こし、激しい上腹部痛を感じる場合もあるでしょう。
治療法としては、抗生物質の内服が必要不可欠です。

淋菌感染症

淋菌感染症は、淋菌による細菌感染症です。
男性の場合、感染すると排尿痛と尿道口から膿が出ます。
女性の場合は、尿道炎や子宮頸管炎を引き起こしたり、子宮外妊娠が起こったりします。
治療する場合は抗生剤の点滴が必要です。

性器カンジダ症

性器カンジダ症は、膣内に存在するカンジダ属の繁殖によって起こる性器の炎症です。
性行為によって感染したカンジダが繁殖する場合もあるものの、基本的にはもともと腟内に存在するカンジダが何らかの原因で繁殖して発症する場合がほとんどです。
カンジダに感染すると、白色のヨーグルトもしくは酒かす上のおりものが増加し、外陰部のかゆみが起こる場合があります。
腟内は酸性に保たれており、病原体の増殖や侵入を阻止する役割をもちます。
一方で、ステロイドや免疫抑制剤を服用している方や糖尿病の方、抗生物質を服用中の方や妊婦さんの場合はカンジダが増殖しやすいのが特徴です。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型・2型を病原体とする性感染症です。
感染すると、外陰部に痛みをともなう水疱が生じ、排尿困難や歩行困難を引き起こす場合があります。
近年では、オーラルセックスによって口唇・口腔内にヘルペスが及ぶ場合があります。
ヘルペスに一度感染すると、生涯にわたり神経節に潜伏し、心身ともにストレスによって免疫低下を引き起こすのが特徴です。
治療するためには、抗ウイルス薬の内服および軟膏が一般的です。
重症化する場合は、点滴が必要になるケースもあります。

ピンポン感染という言葉を知っていますか?

ピンポン感染とは、特定の個人間で病気をうつし合うことです。
カップルのどちらかが性感染症に感染した状態で性行為をすると、パートナーに病気を感染させる可能性があります。
また、カップルのどちらかが完治しても、片方のパートナーが治療をしなければ性交渉によって再感染する場合もあるでしょう。
負の連鎖であるピンポン感染をなくすためには、異変を感じた段階で性病検査に行くことが大切です。
できれば、カップル2人で検査を受けましょう。

夫婦間のセックスだとしてもリスクがあります

性感染症は、夫婦間のセックスでも感染する場合があります。
パートナーが過去の恋人などから感染していた場合、感染する可能性があります。
このように、性感染症は誰にでも感染する可能性があるため、予防対策が必要です。
知らない間に症状が進行し、気づいたときには重症化して健康被害を受けることもあります。
異変が起きたら、速やかに医療機関を受診することが大切です。
大事なパートナーを守るため、そして自分が心身ともに健康な生活を送れるよう、日頃から性感染症対策を徹底していきましょう。

少しでも違和感を感じたら、一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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