性病の知識

性感染症を特別なものだと思っていませんか?意外と身近な性感染症

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

自分に限って性病は感染しないと思っている方がいますが、実際に性感染症は身近なものであり、誰にでも感染するリスクがあります。
性病対策をおろそかにすると、気付かないうちに性感染症を発症し、他人を感染させるきっかけにつながるでしょう。
本記事では、性病の症状や感染経路、予防方法について解説します。
自分や大事なパートナーの生活を脅かすことがないよう、日々の健康管理に努めていきましょう。

性病とは

性病とは、性行為によって感染する疾患です。
昨今、STD(Sexually Transmitted Diseases)STI(Sexually Transmitted Infections)と呼ばれるようになりました。

おもに腟性交によって精液や腟分泌液などが体の粘膜に付着することで感染します。
そのため、適切な性病対策がなされていなければ、誰にでも感染する可能性があります。

腟性交以外に感染する要因として考えられるものとしては、以下のとおりです。
知識として、知っておきましょう。
6型、11型の場合は腟や外陰部にイボができる尖圭コンジローマや再発性喉頭乳頭腫などの感染症の原因になります。

キス

たとえばヘルペスの場合、皮膚と皮膚の接触によって感染するため、口に病原菌が存在するとキスで感染する可能性があります。

また、喉に感染した淋病クラミジアなどの場合、ディープキスによって唾液を介することで感染リスクが高まるとされています。

口内に傷があると、傷口から病原体が感染するリスクも高まるでしょう。

口腔性交

フェラチオやクンニリングスといった口腔性交をおこなうと、性病に感染する可能性があります。
性病に感染した性器を舐めたり咥えたりすると、体液が口のなかに入り、感染のリスクが高まります。
一方で、口内が性病に感染している場合、パートナーの性器に病原体がうつり、感染するケースもあるでしょう。
口に感染するリスクのあるクラミジア淋病の場合、自覚症状が出にくいため、知らない間に感染拡大させていることもあります。

肛門性交

腟性交よりも肛門性交のほうが性病に感染するリスクが高いとされています。
なぜなら、直腸の粘膜は極めて薄く、挿入時に傷つきやすいからです。

傷口があると、そこから病原菌が侵入し、感染のリスクが高まります。
直腸の性病においても、自覚症状が出ないケースがあり、知らず知らずのうちにパートナーに感染させてしまうこともあるでしょう。

性感染症の症状とは

性感染症の症状は男女で異なる場合もあれば、共通するケースもあります。
おもな症状は以下のとおりです。

男性の症状・尿道から膿が出る
・精巣付近が腫れて熱が出る
女性の症状・おりものがいつもと異なる
(量が多い・かゆみがある・臭いがきつい・濃い黄色や血液が混じった色である、など)
共通する症状・排尿時に痛みがある
・性行為の際に痛みがある
・性器に炎症やかゆみがある
・性器にイボや水ぶくれがある

一方で、性病によっては自覚症状が出ないケースもあります。
たとえば、若年層に最も多いとされるクラミジアの場合、ほとんどの方が無症状といわれています。

性感染症の予防方法とは

性感染症の予防方法で最も有効なのは、性行為をしないことです。
性行為をする場合に有効な予防方法は、コンドームを使用することです。
コンドームは、腟性交だけでなく、口腔性交や肛門性交の際にも必ず装着するようにしましょう。

使用する際は、必ず使用期限内のものを使い、劣化していないことを確認してください。
装着する際は、爪などで傷つけないようにすることが重要です。
しかし、コンドームを使用しても、すべての性感染症の予防はできません。
たとえば、皮膚と皮膚の接触で感染するヘルペス感染症などの場合は、コンドームで防止できない場合があります。
性行為をする際は、特定の相手のみとすることが大切です。
お互いが性病に感染しておらず、他に性行為をする相手がいない場合は安全といえるでしょう。
一方で、過去に複数人との性的接触がある場合は、感染している可能性があります。
もし、口腔周囲や性器に異変・違和感がある場合は、速やかに検査を受けましょう
また、性病によっては、予防薬やワクチンが存在するものもあります。
性行為の回数が多い方はこれらの活用も検討してください。

コンドームを着用するのを忘れてしまった・途中からしか着用していなかった場合はどうする?

もしコンドームの着用をせずに性行為をしたり、途中から着用しなかったりした場合は、性病検査を受けましょう。
仮に異変が起きていなくても、性病に感染している可能性があります。
医療機関によっては、複数の性病をセットで検査できる選択肢もあるため、積極的に利用しましょう。
性病は、知らず知らずのうちに大事なパートナーにまで危害を加える要因になります。
自分の健康だけでなく、大切な人の命も守るために、性病対策を徹底しましょう。

少しでも違和感を感じたら、一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
Recommend
こちらの記事もどうぞ
記事URLをコピーしました