エイズになると長生きできないって本当?正しい知識と最新の治療を解説

HIVやエイズと聞くと「死に直結する病気」「長生きできない」というイメージを抱く方も少なくありません。
かつては不治の病とされていましたが、現在では医学の進歩により、早期にHIV感染を発見し、抗HIV薬を継続して服用すれば、健常者とほぼ変わらない生活や寿命を保つことが可能になっています。
ただし、HIVとエイズは同じものではなく、正確には「HIVに感染し、免疫力が低下して特定の病気を発症した状態」をエイズと呼びます。
本記事では、HIVとエイズの違い、感染経路、症状の進行、治療の現状について解説します。
正しい知識を持つことで、自分や大切な人を守りましょう。
HIVとは?
HIVは「ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)」の略称です。
HIVは私たちの体を守る免疫細胞(Tリンパ球、マクロファージなど)に感染し、徐々にそれらを破壊していきます。
その結果、免疫力が低下し、本来であれば発症しないような感染症や腫瘍にかかりやすくなります。
HIVに感染した後、免疫不全によって発症するさまざまな病気の総称が「エイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)」です。
どこから感染するの?HIVの感染経路

HIVは感染者の血液・精液・膣分泌液・母乳に多く含まれています。
感染経路は以下の3つです。
- 血液感染:輸血、注射器の共用、医療現場での針刺し事故など
- 性的接触:性行為による粘膜からの感染。日本で最も多い感染経路
- 母子感染:妊娠中や出産時、授乳による母から子への感染。ただし抗HIV療法でリスクは大きく下げられる
一方で、唾液・涙・尿に含まれるウイルス量は少なく、日常生活の接触や咳・くしゃみで感染することはありません。
HIVに感染すると必ずエイズが発症する?

HIVに感染しても、すぐにエイズを発症するわけではありません。
進行は段階的に進み、「感染初期」「無症候期」「エイズ発症期」という3段階を経て進行していきます。
感染初期
感染直後はウイルスが急激に増加し、一時的に発熱・リンパ節腫脹・皮疹・頭痛などインフルエンザ様の症状が出ることがあります。
ただし数週間で自然に軽快するため、感染に気づかないケースが多くあります。
無症候期
数年から10年以上にわたり自覚症状がほとんどない期間が続きます。
しかし体内ではHIVが免疫細胞を破壊し続けており、徐々に免疫力が低下していきます。
エイズ発症期
免疫力が著しく低下すると、健康な人では起こらない「日和見感染症」や腫瘍を発症します。
食欲不振、下痢、体重減少、全身衰弱などもみられます。
※日和見感染症:健康な状態では病気を起こさないような弱い細菌・真菌・ウイルスなどによって引き起こされる感染症。免疫機能が低下すると生じる。
エイズと診断される疾患
厚生労働省は、HIV感染者が以下の23の疾患のいずれかを発症した場合にエイズと診断しています。
例:ニューモシスチス肺炎、カンジダ症、クリプトコッカス症、活動性結核、サイトメガロウイルス感染症、カポジ肉腫、悪性リンパ腫、HIV脳症、HIV消耗性症候群など。
これらは通常の免疫状態ではほとんど発症しない病気であり、免疫不全が深刻であることを示しています。
HIVは不治の病ではない
かつてHIVは「死に至る病」とされていましたが、現在は抗HIV薬(ART:抗レトロウイルス療法)の進歩により状況が大きく変わりました。
抗HIV薬は以下の5種類に分類されます。
- 核酸系逆転写酵素阻害剤
- 非核酸系逆転写酵素阻害剤
- プロテアーゼ阻害剤
- インテグラーゼ阻害剤
- 侵入阻害剤
この中から複数の薬を組み合わせて服用することで、ウイルスの増殖を強力に抑えることができます。近年は1錠に複数成分を含む薬剤も登場しており、1日1回の内服で治療が可能です。これにより、HIVに感染してもエイズの発症を防ぎ、健常者と同等の寿命を目指すことが可能になっています。
ただし、服薬を中断するとウイルスが再び増殖し、薬剤耐性が生じる恐れがあります。そのため、継続的に服用を続けることが極めて重要です。
まとめ
- HIVは免疫細胞を破壊し、放置するとエイズを発症する
- 感染経路は「血液感染」「性的接触」「母子感染」の3つが中心で、日常生活では感染しない
- エイズ診断には厚労省が定める23の疾患が基準となる
- 抗HIV薬の普及により、HIVは不治の病ではなくなった
- 感染に気づかず放置するのが最も危険。HIV検査を受け、早期に治療を始めることが健康寿命を守る第一歩
HIVは誰にでも起こり得る感染症です。
少しでも不安がある方や心当たりがある方は、迷わず検査を受けましょう。
早期発見・早期治療ができれば、HIV感染者も健常者と同じように長く、豊かな人生を送ることが可能です。

少しでも違和感を感じたら、
一度検査を受けてみませんか?
西梅田シティクリニックで受診をしよう。
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