性病の知識

誰がかかっても不思議じゃない?性病は誰でも感染する可能性がある!

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「自分は性病に感染しているはずがない」

そう思ってはいませんか?
今では性病は限られた職種の人特有の病気ではなく、誰でもなり得る身近な病気となっているのです。
特に体に異変がなく症状が出ていないとしても、ウイルスが知らず知らずのうちに体内に潜み、様々な健康被害を引き起こそうとしているかもしれません。
症状が出ていなくても性感染症に罹患している可能性があることを理解して正しい対処法を身につけ、自分自身や大切なパートナーを守りましょう。

無症状でも感染してる?

近年、HIV感染症に加えて、クラミジアや梅毒などの性感染症に罹患する若者が急増しています。
性感染症の中には、自覚症状が出ないものもあり、気付かないうちに感染を拡大させている可能性もあります。

たとえば、クラミジアの場合、男性は感染者の半数、女性は感染者の5人に1人しか症状が出ないとされています。
自覚症状が出にくいこともあり、現在国内ではおよそ100万人が感染していると言われています。

「症状が出ていないから大丈夫」と安心せず、性感染症は無症状でも感染している恐れのある疾患であることを頭に入れておきましょう。

知らないうちに感染!?

性感染症には、自覚症状が出にくいものや、症状が出てもすぐに治まってしまうものがあります。
無症状でも性感染症に感染していれば、その人の体内に潜む病原菌が性交渉などを介して相手へ伝播し、感染させてしまいます。
自分では気付かないうちに感染を拡げている可能性があるのです。

また、女性の場合、性器粘膜部分の面積が広く、簡単に洗い流すことができないため、男性よりも感染率が高いとされています。

感染に気付かないまま何年も放置してしまうと、症状が悪化し、不妊や子宮外妊娠の原因となったり、重篤な健康被害を及ぼす可能性があります。
最悪の場合、神経や臓器が侵され、死に至る場合もあるのです。

「もう少し様子を見よう」は危険。
性感染症は早期発見・早期治療が重要なのです。
性病検査は無症状でも受けることができます。
少しでも違和感や心当たりがあれば医療機関を受診し、性病検査を受けてみましょう。

性交渉の経験がないのに性病になった!

「性交渉の経験がなければ性病にはならない」

こう考える方も多いのではないでしょうか?
実は性病のなかには、性交渉の経験がなくても感染してしまうものがあるのです。

  • カンジダ
    カンジダ菌は、性器の粘膜周辺や消化管、皮膚などに存在する常在菌で、健康な人も保有している真菌です。
    ホルモンバランスの乱れやデリケートゾーンの衛生状態の悪さ、疲れやストレスによる免疫力の低下などが原因で自己感染する場合があります。
     
  • トリコモナス
    性交渉だけでなく、下着やタオル、トイレ、お風呂などで感染する可能性があります。
    性交渉の経験がない女性や幼児等が感染する場合もあります。
     
  • 性器ヘルペス
    感染力がとても強く、お風呂やトイレ、食器(コップ・箸など)の共用などで感染することがあります。
     
  • HIV・B型肝炎・C型肝炎
    輸血や注射器・注射針などの使い回しによる針刺し事故などから感染者の血液が他の人の血液中に侵入することにより感染してしまいます。
    また、傷口や粘膜に感染者の血液が付着することによっても感染します。
     

他にも、女性が性病に感染した状態(未治療)で妊娠すると、胎内・産道・母乳を通じて母体から胎児へと感染してしまう「母子感染」もあります。
これは流産や死産の可能性があるだけでなく、胎児が病気や障がいを持って生まれてくる可能性もあります。
しかし、事前のブライダルチェックや抗菌薬治療などによって感染リスクを下げることができるとされています。
感染が分かった場合は医師の指示に従い、適切な母子感染対策を行いましょう。

性感染症予防のために

性感染症は主に粘膜同士の接触によって感染するため、避妊具を使用することであらゆる性感染症の感染リスクを低減させることができます。
不特定多数の人と性交渉をしないことも重要です。

他にも、

  • 疲れが溜まっているときや体調不良で抵抗力が低下しているときは性交渉をしない
  • 寝具を清潔にする
  • タオルや歯ブラシなどは共用しない
  • 銭湯や温泉などでは椅子にタオルを敷いて座る
  • ワクチン接種をする
  • 定期的に性病検査を受ける

これらを意識することも大切です。

また、免疫力が低下してしまうと、病原菌が体内に侵入しやすくなったり、体内で増殖してしまう恐れがあります。
適度な運動や休養、バランスの良い食生活など生活習慣を整え、免疫力を高めることも性感染症予防へと繋がります。

西梅田シティクリニックではお気軽に性病検査を受けることができます。
予防のための定期検査やブライダルチェックなど、症状がなくても検査が可能です。
ご不安なこと、ご不明な点等ございましたらお気軽にご相談ください。

◆性感染症内科/西梅田シティクリニック:https://nishiumeda.city-clinic.jp/std/

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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