性病の知識

女性に多い性感染症とは?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「女性に多い性感染症って?」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

性感染症には、女性が罹患しやすいものがあり、性行為だけでなく、生活習慣やホルモンバランスの乱れなども関係する場合があります。
女性に多い性感染症を知り、正しい予防法を実践して自分や大切なパートナーを守りましょう。

性感染症とは

性感染症とは、主に性的接触によってウイルスに感染する疾患です。
通常の性行為に加え、口腔性交、肛門性交なども感染する原因になります。
妊娠中の女性が性感染症に罹ると、母子感染し、障がいを持った胎児が生まれる恐れもあります。
性感染症は、かゆみや痛みなどを引き起こすだけでなく、不妊を引き起こすのが特徴です。
また、神経や心臓などに合併症を引き起こす可能性があるため、早期治療が必要です。
とはいえ、性感染症は症状が出ない場合もあり、放置してしまうことがあります。
そのため、気付かないうちに大切なパートナーへ感染を広げてしまうこともあるでしょう。
少しでも異変を感じた場合は、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
また、定期的に性病検査を受けることも大切です。

女性に多い性感染症と症状

性感染症には女性が罹患しやすいものがあります。
主に以下の6つが罹患しやすいとされています。

  1. クラミジア感染症
  2. 淋病
  3. トリコモナス
  4. カンジダ
  5. 尖圭コンジローマ
  6. 性器ヘルペス

性行為が原因で感染するケースが最も多いとされています。
一方で、過労やストレスが蓄積したり、妊娠中などで免疫力が低下していたりすることで発症するものもあります。

クラミジア感染症

クラミジアは、近年において発生頻度が高いとされている性感染症です。
感染すると子宮頸管に炎症を起こして下腹部痛が生じたり、おりものの量が増えたりします。
一方で、自覚症状がほとんど出ない場合もあるため、病気に気付かずに放置してしまい、不妊症や子宮外妊娠に繋がるケースもあるでしょう。
また、妊娠中の女性がクラミジアに感染すると、早産や流産、母子感染のリスクが高まるとされています。

淋病

淋病は、感染力が強い細菌であり、性行為によって感染する確率が高い性感染症です。
感染すると、おりものの量が増えるだけでなく、黄色い膿のようなおりものが出る恐れがあります。
淋病が続くと、子宮や卵管、卵巣へと炎症が広がり、不妊症のリスクを高めます。
症状に気付かず放置してしまうと、重症化し、命に関わる重篤な病気を引き起こす恐れもあります。

トリコモナス

トリコモナスに感染すると、性器のかゆみや灼熱感を感じたり、黄色いおりものが出たりします。
感染の原因は性行為が多いとされますが、稀にタオルやトイレ、浴槽などが感染源となる場合もあります。

カンジダ

カンジダ菌は、健康な人も持つ常在菌の一種で、免疫力の低下や疲労、ホルモンバランスの乱れなどが原因で自己感染する恐れがあります。
性交渉をしていなくても発症する恐れのある性感染症です。
発症すると、白いヨーグルトのようなおりものが出たり、性器にかゆみを感じることがあります。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、性器にイボを引き起こす性感染症です。
感染すると子宮頸がんのリスクが高まるとされています。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスと呼ばれるウイルスに感染すると発症する性感染症で、性的接触によって伝播します。
症状がおさまってもストレスや疲労が蓄積したり、妊娠中など免疫力が低下してしまう場合に再発する恐れがあります。
発症すると、性器に水疱が生じる場合があります。
また、妊娠中の女性が罹患すると母子感染する可能性もあるでしょう。

それぞれの性感染症を予防するためには

それぞれの性感染症を予防するために最も効果があるのは、避妊具を使用することです。
性感染症は粘膜同士の接触によって感染する事が多いとされています。
避妊具を使用すると、粘膜同士の接触が防止できるため、ウイルス感染を防ぐことに繋がるのです。
また、不特定多数の人と性交渉をしないことも大切です。
定期的に性病検査を受け、自己管理を行うことも必要になります。

性病かも?と思ったら

もし性器にかゆみや痛みを感じたり、おりものが増えたりなど、異変を感じた際は速やかに医療機関を受診してください。
泌尿器科・婦人科・性感染症内科・皮膚科のいずれかを受診することで性感染症の有無を調べてもらえます。
性感染症を放置すると、症状が悪化して重篤な健康被害を引き起こす恐れがあります。
心臓や神経に合併症を引き起こし、死に至るケースもあるのです。

手遅れになる前に医療機関を受診し、早期発見・早期治療に努めましょう。
また、定期的に性病検査を受け、メンテナンスすることも大切です。
自分だけでなく、大切なパートナーを守るためにも、日頃から性感染症予防に努めましょう。

西梅田シティクリニックではお気軽に性病検査を受けることができます。
予防のための定期検査やブライダルチェックなど、症状がなくても検査が可能です。
ご不安なこと、ご不明な点等ございましたらお気軽にご相談ください。

◆性感染症内科/西梅田シティクリニック:https://nishiumeda.city-clinic.jp/std/

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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