何年も気づかないと危ない!性病の潜伏期間について解説します

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

性病の潜伏期間とは?

男性尿道炎患者からの尿道分泌物の塗抹標本(グラム染色)
左:淋菌を貪食している白血球(好中球)。
胡麻のように見えるのが淋菌で、2個対になっている。
 右:貪食をしていない通常の白血球。

引用:国立感染症研究所ホームページ

潜伏期間とは、性病の細菌に感染してから症状が出るまでの期間のことを指します。

性病は、感染してから必ずしもすぐに症状が出るわけではありません。

性病の種類によっては、細菌に感染してから早くて2日。遅くて1年以上経ってから症状が発症する場合もあるのです。

性病の潜伏期間は人によって異なります。なぜなら、性病の細菌自体の性質や感染者自体の体質、健康状態が異なるからです。潜伏期間はあくまで目安であることを把握しておくのがいいでしょう。

性病に何年も気づかないとどうなる?

性病には潜伏期間があるため、その間は症状が出ません。

また症状が発症しても、途中で一時的に治まる場合もあります。

そのため、症状に気づかないまま放置してしまう可能性があります。性病に何年も気づかない状態が続くと、症状がどんどん悪化していきます。最悪の場合、中枢神経系や心臓血管系などが侵され、死に至る可能性もあるのです。

性病は基本的に自然治癒することはありません。そして放置すると症状が悪化するリスクがあります。そのため、早期発見・早期治療が必要になるのです。

性病は潜伏期間中でも感染する?

結論として、性病は潜伏期間中でも他者に感染します。性病の症状が出てないとしても体内には細菌が存在するため、感染するリスクがあるのです。

性病はセックスだけでなく、オーラルセックスやアナルセックス、ディープキスなどでも感染する可能性があります。感染予防のためには、コンドームの使用だけでなく、不特定多数とのセックスやキスなどをなるべくしない、などの対策が必要になります。

性病は潜伏期間中でも検査可能?

性病は潜伏期間中であっても、種類によっては検査できます。

たとえば、クラミジアや淋病などは感染から1日以上経過していれば検査が可能です。

一方で、梅毒やB型肝炎、C型肝炎などの性病は体内に抗体がなければ十分な検査ができません。そのため、検査が可能になるまで一定の時間を要する場合があるでしょう。

性病の潜伏期間について

性病の潜伏期間は種類によって様々です。そこで性病ごとの潜伏期間と症状をまとめました。各性病の特徴を把握する際に参考にしてみてください。

淋病:2〜7日間前後

男性の場合、排尿時に痛みや尿道のかゆみが生じたり、発熱したりします。
女性の場合、おりものが増え、性交時に痛みが生じたり下腹部に痛みが生じたりする場合があるでしょう。

感染してから24時間以上経過していれば、検査可能です。

クラミジア:7〜21日間前後

男性の場合、排尿時に痛みや尿道のかゆみが生じたり、発熱したりします。
女性の場合、性交時に痛みが生じたり下腹部に痛みが生じたりする場合があるでしょう。

感染してから3日以上経過していれば、検査可能です。

梅毒:21日間前後

男性の場合、排尿時に痛みが生じたり、尿道から膿が出たりします。
女性の場合、おりものが増えたり、性交時に痛みが生じる場合があるでしょう。

感染してから24時間以上経過していれば、検査可能です。

HIV:14日間前後

男女ともに、発熱や下痢、頭痛やだるさが生じます。また腎臓疾患や心疾患なども併発する可能性があるでしょう。

感染してから1ヶ月以上経過していれば、検査可能です。

B型肝炎:1〜6ヶ月前後

男女ともに、腹痛や下痢、嘔吐やだるさが生じます。また関節炎や関節痛なども併発する可能性があるでしょう。

感染してから2ヶ月以上経過していれば、検査可能です。

C型肝炎:2週間〜3ヶ月前後

男女ともに、慢性肝炎・肝硬変・肺がんの順で症状が発症していく可能性があります。

感染してから2ヶ月以上経過していれば、検査可能です。

トリコモナス:5〜14日前後

男性の場合、排尿時に痛みが生じたり、尿道から膿が出たりします。
女性の場合、悪臭のするおりものが増えたり、膣や陰茎部にかゆみや痛みが生じる場合があるでしょう。

感染してから24時間以上経過していれば、検査可能です。

カンジダ:1〜7日前後

男性の場合、かゆみや白いカスのようなものが生じたり、排尿時・性交時に痛みが生じたりします。
女性の場合、白いヨーグルト状のおりものが増えたり、排尿時・性交時に痛みが生じたりします。

感染してから24時間以上経過していれば、検査可能です。

性器ヘルペス:2〜10日間前後

男女ともに、陰部に水疱や潰瘍が生じたり、高熱が出たりします。また排尿時・性交時に痛みが生じ、足の付け根のリンパ節が腫れる可能性があるでしょう。

感染してから2週間以上経過していれば、検査可能です。

尖圭コンジローマ:数週間〜8ヶ月前後

男女ともに、肛門や性器周辺にイボができます。時間の経過とともにイボの大きさが拡大するでしょう。

感染してから3週間〜8ヶ月以上経過していれば、検査可能です。

潜伏期間についてのよくある質問

潜伏期間中は症状がまったく出ないこともありますか?

はい。潜伏期間中は症状がまったく出ないこともあります。厚生労働省は、性感染症には症状がない時期にも感染する病気があると案内しており、CDCも多くの性感染症は無症状または症状が軽いため気づかれにくいとしています。症状がなくても感染している可能性があるため、不安な接触があれば検査を検討することが大切です。

性行為から時間がたっていても、今の症状が性病の可能性はありますか?


はい、あります。性感染症は性行為の直後に必ず症状が出るわけではなく、数日〜数週間後、ものによってはもっと時間がたってから気づくこともあります。厚生労働省も、性感染症は種類によって潜伏期間が異なり、症状がない時期にも感染していることがあると案内しています。過去に心当たりがある場合は、時間がたっていても性病の可能性を考えて受診することが大切です。

体調や免疫力によって潜伏期間が変わることはありますか?

はい、あります。潜伏期間は病原体ごとの特徴で決まる部分が大きいですが、実際の症状の出方や気づくまでの早さは、体調や免疫の状態によって個人差が出ることがあります。厚生労働省も性感染症には症状が出にくいものがあると案内しており、CDCも多くのSTIは無症状または軽症としています。目安の期間に当てはまらなくても、気になる接触があれば検査を検討しましょう。

過去に陰性だった場合でも、あとから陽性になることはありますか?

はい、あります。検査を受けた時期が早すぎると、まだ感染が検査に反映されず陰性になることがあります。厚生労働省も、HIVでは感染機会から3カ月以内の陰性は、確認のため3カ月以降の再検査を勧めています。つまり、陰性結果でも「その時点で検出されなかった」だけの可能性があるため、不安な接触があれば適切な時期に再検査することが大切です。

症状が出る前に受診しても意味はありますか?

はい、あります。症状が出る前でも受診には意味があります。厚生労働省も、不安に感じたらすぐに検査を受けること、早期発見・早期治療が大切だと案内しています。性感染症は無症状のまま進むこともあるため、心当たりがある場合は、症状を待たずに相談・検査を受けることが重要です。

性病リスクをご自身に少しでも感じている方は
ぜひ一度、ご来院ください。

監修医師紹介
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長
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